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肺がん診療の今を語る神戸大医学部の真庭謙昌教授=神戸市兵庫区、健康ライフプラザ
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肺がん診療の今を語る神戸大医学部の真庭謙昌教授=神戸市兵庫区、健康ライフプラザ

 日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなるがん。その中で最も多いのが肺がんだ。神戸市兵庫区の健康ライフプラザで開かれた「がんをよく知るための講座」(兵庫県予防医学協会、神戸新聞社主催)では、神戸大医学部の真庭謙昌(まにわ・よしまさ)教授(51)=呼吸器外科学分野=が、肺がんの検査や治療について解説した。要旨は次の通り。

        ◆

 肺は呼吸に欠かせない。心臓と同じく全ての血液が集まり、治療が難しい臓器。だが、手術法の進化、画像診断技術の向上、抗がん剤の開発などで、肺がんになっても悲観する必要はなくなってきた。

 タイプは小細胞肺がん、非小細胞肺がんの2種類。小細胞肺がんは発見時、全身に広がっていることが多いが、抗がん剤がよく効き、手術よりも抗がん剤を中心に治療する。

 非小細胞肺がんは転移が比較的遅く、がんの大きさ、転移の状況で進行度をみて治療法を変える。咳や胸の痛みなどの症状が出た時は進行がんであることが多い。早期で見つかるほど、手術で治せる確率は高いが、早期発見は全体の約半数止まり。検診が大切になる。

 検診には、胸のエックス線検査とたんに混じるがん細胞を調べる喀痰(かくたん)細胞診がある。異常があれば、「CT(コンピューター断層撮影)」、「PET(陽電子放出断層撮影)-CT」で大きさや転移の状況を調べる。さらに口から細い管を入れて腫瘍を取り、タイプを調べて診断を進めていく。

 かつての手術は、胸を開き、肺を囲む筋肉や肋骨をいったん切断して、がんのある側の肺を全て取っていた。約15年前に、先端にカメラの付いた棒状の胸腔鏡(きょうくうきょう)が導入され、傷口を小さくできるようになった。今では、脇に4カ所前後開けた穴から胸腔鏡などの器具を差し入れ、モニターの高解像度の映像を見ながら行う完全鏡視下手術が一般化した。

 肺は右に上中下、左に上下の「葉(よう)」に分かれる。がんがある葉ごとに切除するのが今の主流。葉をさらに細かく分けた「区域」だけを切除する方法の研究も進む。呼吸をつかさどる肺をできるだけ残し、患者の負担を少なくすることが大切だ。

 化学療法では、約20年前、抗がん剤は1種類だけだったが、分子レベルでがん増殖を抑える「分子標的薬」や免疫機能に作用する「免疫チェックポイント阻害薬」も登場。放射線治療もがんの部分だけを攻撃できるようになってきた。体力やがんの状態に合った治療法を組み合わせ、患者にやさしい確実な治療の開発が進んでいる。(まとめ・山路 進)

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