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 他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の移植手術が実施された28日、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーと、神戸市立医療センター中央市民病院の栗本康夫眼科部長が会見した。主な内容は次の通り。

 (冒頭に2人が概要を説明)

 滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性に対する他家(たか)iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞懸濁(けんだく)液移植に関する臨床研究の1例目の手術を本日午後、行った。予定通り、1時間で無事手術は終了した。京都大学のiPS細胞研究所がストックしていた他家移植用のiPS細胞を使った。患者さんは兵庫県在住の60代の男性。

 他家移植の1例目がスタートしたということで、今後の情報の出し方についてお願いをしたい。今回は安全性試験ではあるが、標準治療にしていくための重要なステップ。そのためには、臨床研究をきちんと行わないといけない。今後、5例程度を予定しているが、その方たちのデータを最終的にまとめて、初めてこの臨床研究がどうであったかという判定ができる。

 今回は手術だけではなく、その後の拒絶反応がどうかというところが重要になってくる。全ての症例のデータ、最終的な判定を見て、(結果を)判断したいので、途中経過については情報を出せないことを理解してほしい。最終の手術が終わった時点では、報告したいと思う。

 経過やデータに関しては、全例の1年後の経過を見て、論文にした時点で報告したい。ただし、iPS細胞によって何か重篤な有害事象が起こった場合は、隠すことなくオープンにしようと思っている。

 (質疑応答。断りがない場合は高橋リーダーが回答)

 -何人が手術に携わったのか。

 (栗本部長)「ナースも含めて6人」

 -細胞の数は。

 (同)「25万個相当です」

 -患者の同意から移植までにかかった期間は。

 (同)「1カ月半程度です」

 -手術を終えた気持ちは。

 「今回は拒絶反応を抑えるということが肝。これから慎重に、しっかりと診療していかなくてはならない」

 (栗本部長)「手術に至るまでには、たくさんの人たちの努力があった。絶対に成功させるという強い意志を持って臨んだ。ここから経過を見ていくということが非常に大事。気を抜かずにやっていきたい」

 -(患者自身の皮膚から作ったiPS細胞を使い、2014年に移植手術を実施した際)高橋さんは富士登山に例えて「2、3合目」と表現されたが、同じように例えると?

 「それに合わせるとしたら5合目でしょうか」

 -今後も、患者の同意を得てから1カ月半程度のペースで手術はできるのか。

 「すごく難しいわけではないと思うが、1例目と2例目はやはり少し間をあけ、慎重に行いたい」

 -5合目まできた気持ちは。

 「たくさんの患者さんに対し、普通に治療方法として使えるようになることがゴールだ。山頂まで、まだまだ道はある。全然気は抜いていない」

 -臨床研究の成否を判断する基準は。

 「拒絶反応がなく、細胞が落ち着き、生き続けていくというのが判断基準になる」

 -先行的な臨床研究という意味では責任も重い。

 「今回、拒絶反応はほとんどないだろうと思いつつ、『拒絶反応はあるもの』と考えて対処している。あらゆる可能性があると考え、リスク管理をしている。その意味では、考えつくリスクについては、ほとんど対処法を持っている」

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