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無痛分娩時の医療事故で亡くなった女性(遺族提供)
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無痛分娩時の医療事故で亡くなった女性(遺族提供)

 神戸市西区の産婦人科医院で2015年9月、麻酔を使って痛みを和らげる「無痛分娩」で出産した女性が、生まれてきた長男(1)とともに重い障害を負っていたことが28日、関係者への取材で分かった。麻酔が脊髄の中心近くに達したとみられ、女性が呼吸できなくなったという。女性は低酸素脳症が原因の多臓器不全のため、今年5月に35歳で亡くなった。同医院は責任を認め、示談金を遺族に支払った。

 女性の遺族と代理人弁護士によると、医院は「おかざきマタニティクリニック」。出産に立ち会った男性院長は、脊髄を保護する硬膜の外側(硬膜外腔)に背中から管を入れ麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を施した直後、外来診察のため女性のそばを離れた。その際、麻酔薬が硬膜外腔より深部で脊髄中心近くのくも膜下腔に入ったとみられ、麻酔の効果が急速に現れた女性は呼吸困難に陥ったという。

 女性は別の病院で緊急帝王切開を受け、長男を出産したが、低酸素状態となった。脳に損傷を受けたため、長期間意識が戻らない遷延性意識障害に陥り、今年5月12日に死亡。長男は生まれてすぐ呼吸・循環不全に陥り、脳に酸素が十分に行き渡らなくなって障害を負ったため、現在も入院している。

 同クリニックは昨年12月に院長の過失を認め、その後、遺族に示談金を支払ったが、遺族によると、女性の死後も謝罪に訪れたことはないという。

 女性の夫(32)=東京都港区=は「出産にリスクがあったとしても対応できると思ってお願いした。対応できないのになぜ、院長は無痛分娩をさせたのか。なぜ、その場から離れてしまったのか。防げた事故だと思う」と話した。

 同クリニックは神戸新聞社の取材に回答していない。

 無痛分娩を巡っては全国的な実施総数さえ不明だが、今年4月以降、大阪府和泉市、神戸市中央区、京都府京田辺市などで、麻酔や陣痛促進剤の投与を受けた妊産婦の死亡、重症化が相次いで判明。神戸市中央区の産婦人科病院の担当医師に対しては、死亡した女性の遺族が刑事告訴した。これらを受け、日本産婦人科医会は実態調査に乗り出している。

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