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会見で笑顔を見せる山本育海さん(左)と母智子さん=兵庫県明石市中崎1(撮影・奥平裕佑)
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会見で笑顔を見せる山本育海さん(左)と母智子さん=兵庫県明石市中崎1(撮影・奥平裕佑)
山中伸弥 京大ips研究所所長
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山中伸弥 京大ips研究所所長

 筋肉の中に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬の候補を、京都大の戸口田淳也教授(幹細胞生物学)らのチームが人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って発見し、臨床試験(治験)を9月以降に始めることが1日、分かった。

 患者からiPS細胞を作れば、症状を体外で再現できることを利用したもので、京大によると、iPS細胞を使って開発した薬の治験は世界初。再生医療だけでなく創薬でのiPS細胞活用が進展した形だ。

   ◇   ◇

「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」について、進行を遅らせる薬の臨床試験(治験)が始まることを受け、この難病と闘う兵庫県明石市の山本育海さん(19)が1日、明石市役所で会見した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)による創薬の可能性を知り、7年前、山中伸弥京大教授らに要望し、自らの皮膚の細胞を提供した。待ちわびた朗報に「治ることを信じて、治験に参加させてもらいたい」と笑顔を見せた。

 山本さんがFOPと診断されたのは2006年、小学3年生だった。外傷や疲労をきっかけに筋肉などの骨化が起こり、行動が制限される。10年に京大iPS細胞研究所に自身の細胞を提供するにあたり、戸口田淳也教授らと何度も話し合い、病状が進むリスクよりも「治る可能性に賭けたい」と信じ続けた。

 山本さんはこの日、母智子さん(43)とともに会見。「治験は研究者や募金などの支援者、全ての人のおかげ」と感謝した。7年間を振り返り「病気が進行したという意味では長く感じたが、治験がこんなに早く実現するとは思わなかった。研究者の先生方はすごい」と喜んだ。

 症状は徐々に進行し、歯と歯の間はごくわずかしか開かない。それでも、食事を口から取ることを諦めていないという。智子さんは「進行を止めることが目標だったが、治験が始まるとなると欲が出る。好きな食事を手作りで、好きなだけ大きな口で食べさせてあげたい」と前を向いた。(藤井伸哉)

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