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 兵庫医科大学(兵庫県西宮市)から退去通告を受け、岐路に立つ兵庫さい帯血バンクは、早くから臍帯血(さいたいけつ)の採取や搬送、保管法を確立し、臍帯血バンク事業をけん引してきた。白血病治療をはじめ臍帯血移植の必要性は年々高まり、2015年度には全国で1300件を超えた。関係者は兵庫のバンク存続の道を探る。

 兵庫さい帯血バンクは1995年11月、血液内科医や市民ボランティアを中心に「近畿臍帯血バンク」の一組織として全国で2番目に発足した。臍帯血を移植に使えるようにする細胞作りや医療機関への提供法などを確立。産科施設への協力依頼、搬送などをボランティアらが支えてきた。

 14年にバンクへの財政支援などを定めた造血幹細胞移植推進法が施行され、全国に最大11あったバンクが、日赤運営の四つと、独立系の兵庫と中部の計6バンクに再編。臍帯血移植は、全身麻酔が必要な骨髄移植に比べて提供者の負担が少なく、拒絶反応も起きにくいため、移植数は年々増え、15年度には1311件と、初めて骨髄移植を上回った。

 採取は各バンクと提携する計89(うち兵庫は18)の産科医療機関が担う。すぐに使える臍帯血は計1万1095人分(7月31日現在)に上る。

 退去通告を受け、兵庫さい帯血バンクの後藤武理事長(73)は「患者のために臍帯血を提供するお母さんたちの思いを断つわけにはいかない」と継続の必要性を強調するが、資金面は厳しい状況だ。

 臍帯血は採取から36時間以内の凍結保存が必要で、産科に近い都市部に移転せざるを得ず、年間約200万円と格安に抑えられている賃料が約10倍に跳ね上がるとみられる。人件費や光熱費など事業費の大半を国の補助金と診療報酬で賄う。運転資金は数百万円しかなく、新たな無菌室の整備や設備の搬入などの移転費を捻出したり、賃料の値上がりに対応したりする余裕はないという。

 後藤理事長は「何らかの資金援助がなければバンクの移転、存続は厳しい。行政や民間を問わず各方面に協力を仰ぎ、兵庫のバンクの役割を果たしたい」と訴える。(山路 進)

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