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大腸がんについて解説する兵庫医科大の冨田尚裕主任教授=神戸市兵庫区、健康ライフプラザ
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大腸がんについて解説する兵庫医科大の冨田尚裕主任教授=神戸市兵庫区、健康ライフプラザ

 大腸がんは日本人が最もかかりやすいがんで、年間約15万人が発症し、約5万人が亡くなる。兵庫医科大の冨田尚裕主任教授(62)=下部消化管外科=が、神戸市兵庫区の健康ライフプラザで開かれた「がんをよく知るための講座」(兵庫県予防医学協会、神戸新聞社主催)で、大腸がんの予防や治療について解説した。要旨は次の通り。(まとめ・山路 進)

 大腸がんのほとんどは赤身肉の摂取や多量飲酒、ストレス、喫煙など生活習慣が関わる。適度な運動や緑黄色野菜の摂取、リラックスすることが発症の抑制につながる。一方、約20%は遺伝や体質によるとされる。そのうち、「家族性大腸腺腫症」、「リンチ症候群」は治療後も、大腸の別の場所や子宮や胃、すい臓などにも発症する恐れがあり、特に注意が必要だ。

 大腸とは、右下腹の盲腸から、上行・横行・下行・S状結腸を経て、便のたまる直腸、肛門までを指す。大腸がんの約70%は下流のS状結腸と直腸にできる。

 がんは大腸内側の粘膜にでき、進行すると外側に向けて順に筋肉、漿膜(しょうまく)を貫き、近くの臓器にも入り込んでいく。粘膜までなら早期がん、筋肉に達すると進行がんに分類され、早期なら90%が治る。早期から順に進行度(ステージ)は0~4に分かれ、5年生存率は早期は8割以上だが、4になると1割台だ。

 早期がんは自覚症状がほとんどなく、がん検診での発見が重要になる。米国では2004年に受診率が5割を超え、大腸がんの死亡率は下がった。日本は13年で4割以下。兵庫県は特に低く、ぜひ受診すべき。

 検診は2日間の大便を調べる便潜血検査で、発見率は進行がんの9割、早期でも5割。100%ではなく、毎年の受診が大切になる。便潜血で異常があれば、内視鏡検査で診断する。

 治療は、ステージ0や1ならば、お尻から入れた内視鏡でがんを取る方法が中心。2、3では、手術でがんのある大腸を切除する。手術ではおなかに数カ所開けた小さな穴から器具を入れる腹腔鏡(ふくくうきょう)下手術が増加。肛門に近い直腸がんでは患者の肛門を残す術式が増え、手術前に抗がん剤や放射線でがんを小さくする方法もある。兵庫医大では約95%で肛門を残せている。

 進行・再発がんへの薬物療法では次々に新薬が現れ、専門医でも覚えきれないほど。体の状態が許せば、5次治療まである。大腸がんの一部に劇的な効果がみられる免疫チェックポイント阻害薬も、来年には保険適用になりそうだ。

 インターネットの膨大な情報から正確な情報を見つけるのはとても難しい。専門医に相談し、一緒に治療することが一番だ。

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