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 全国で拡大している子どもへの医療費助成。先駆的な自治体で導入された当初は、早期受診、早期治療を目指す福祉的な施策だったが、近年は人口減少や少子化対策などの意味合いが強くなっており、識者の評価も分かれている。

 子ども医療費の助成は、2008年度までに東京23区で中学生まで入・通院が所得制限なしで無料化されるなど、財政力のある自治体を中心に導入が進んだ。

 兵庫県内の中学生までの入・通院の無料化は、13年度に10市町が実施に踏み切るなど、短期間で広がった。所得制限もない「完全無料化」は、17年度で17市町に上る。県内41市町の助成総額は、17年度当初予算ベースで計約200億円。

 厚生労働省が12年度予算をベースにした試算では、高校生まで無料化した場合、医療保険から支払われる給付費は全国で8400億円増え、中学生までなら7100億円増えるとしている。

 厚労省は医療費が増加するとして、子どもの医療費を独自助成する自治体に対し、国民健康保険の国庫負担金を減らす「ペナルティー」を課している。有識者による検討会での議論や自治体の反発などを受け、18年度からは、未就学児までの助成であれば減額しない方針を決めた。

 県内では三田市が財政事情を理由に、中学3年までの無料を見直し、来年7月から段階的に自己負担や所得制限を設ける方針を示している。(斉藤正志)

■対象年齢の引き上げ合戦/政策研究大学院大の島崎謙治教授(医療政策)の話

 自治体の人気取りのため、対象年齢の引き上げ合戦になっているのは、いかがなものか。無料化の費用は小さくない。保育所整備など他の子育て施策との比較や優先順位の吟味が必要だ。コンビニ受診が小児科医の疲弊を招く恐れもある。少額でも自己負担を求めることや、救急医療のかかり方の啓発なども検討すべきだ。

■低所得世帯に無料化有効/甲南大マネジメント創造学部の前田正子教授(社会保障)の話

 低所得世帯は子どもを受診させない傾向がある。親の所得によって健康状態の違いを生まないために無料化は有効だ。医療費も高齢者に比べれば、子どもは大きくない。少子化は日本の将来を左右する問題。安心して子どもを育てられるように、本来は国がどこまで投資するのか考えるべきだ。

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