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子宮頸(けい)がん検診で採取した細胞の顕微鏡写真。細胞や核(黒い点)の形状などを確かめる。昨年度までの「直接塗抹法」(上)に比べ、「液状処理細胞診(LBC)」(下)では細胞の重なりが少なく、見分けがつきやすい(いずれも兵庫県予防医学協会提供)
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子宮頸(けい)がん検診で採取した細胞の顕微鏡写真。細胞や核(黒い点)の形状などを確かめる。昨年度までの「直接塗抹法」(上)に比べ、「液状処理細胞診(LBC)」(下)では細胞の重なりが少なく、見分けがつきやすい(いずれも兵庫県予防医学協会提供)

 神戸市は本年度、子宮頸(けい)がん検診に、より精度の高い検査法「液状処理細胞診(LBC)」を採用した。細胞の採取と病理標本の作製がより確実にできるため、受診者に負担のかかる再検査の発生を減らせるという。検査を請け負う兵庫県予防医学協会によると、LBCの導入は県内の市町で初。

 子宮頸がん検診は、国が20歳以上の女性を対象に2年に1回、受診を勧めており、胃や大腸、肺、乳がんとともに各市町が検診を実施している。神戸市では、市内の産婦人科など87の医療機関で受けられる。

 昨年度までの検査は「直接塗抹法」と呼ばれ、医師が綿棒で子宮口付近の細胞を採取し、スライドガラスに塗布して標本を作製していた。だが、医師の技量によって細胞量やスライドガラスへの固定具合などに差が出るため、日本産婦人科医会が「精度管理の点から万全とはいえない」と指摘。同協会によると、昨年度、標本が「不適正」となったケースは、全受診者2万6759人のうち、2・5%の669人に上った。

 4月から導入したLBCは、細胞を採りやすい専用のブラシを使用し、ブラシごと保存液の入った容器に入れる。標本は同協会の専門技師が作製するため、精度のばらつきを抑えられる。今年4~6月に受診した5240人中、検査に適さない標本は0・69%の36人分にまで減少。医療機関に偏りはなく、受診者が高齢で細胞数が少ないなど別の理由が考えられるという。

 同市産婦人科医会長の益子和久医師(68)は「不適正になって再検査となると費用がかかり、精神的な負担もある。4月からは再検査となるケースが減り、より正確に結果を出せるようになった」と評価する。

 受診者の負担額は、従来と同じ1回1700円。本年度は1996年4月2日~97年4月1日生まれは無料クーポンを使える。益子医師は「早期に発見できれば手術を含めた治療も軽くなる。がんになる可能性も把握できるので、必ず受けてほしい」と呼び掛けている。

(山路 進)

【子宮頸(けい)がん】

 胎児が宿る子宮体部と膣(ちつ)の間の子宮頸部にできる。入り口付近にできることが多いため検査しやすく、がんの中でも発見されやすいとされる。患者は20代から増え始め、比較的若い世代でも発症。大半が、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因とされる。早期に発見できれば9割以上で回復するとされ、初期であれば子宮口周辺の切除だけの治療も可能になる。

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