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伊藤倫之医長(右)の指導で全身を動かす子どもたち=神戸市中央区港島南町1、兵庫県立こども病院
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伊藤倫之医長(右)の指導で全身を動かす子どもたち=神戸市中央区港島南町1、兵庫県立こども病院
心臓の仕組みなどを説明する城戸佐知子部長(左端)と看護師=神戸市中央区港島南町1、兵庫県立こども病院
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心臓の仕組みなどを説明する城戸佐知子部長(左端)と看護師=神戸市中央区港島南町1、兵庫県立こども病院

 生まれつき重い心臓病があり、「フォンタン型」と呼ばれる大きな手術を受けた子どもたちの社会適応を支援するため、兵庫県立こども病院(神戸市中央区)で定期的に患者教室が開かれている。8月23日には運動をテーマに企画し、6~17歳の患者ら約40人が参加した。(田中伸明)

 集まったのは「単心室症」という心臓病がある子どもたち。以前は多くが成人を迎えられず亡くなっていたが、フォンタン型手術などの登場で治療成績は大きく改善された。ただ、過剰な運動や出産などで命の危険にさらされるリスクもあり、社会人になった後もフルタイムの勤務で体調を崩し、離職するケースが目立つ。このため患者が自身の病気を理解し、自立するための「移行期医療」が課題となっている。

 この日は、同病院循環器内科部長の城戸(きど)佐知子さん(52)と看護師らが、バケツやホース、ポンプなどを駆使して、単心室症の心臓の状態や手術の目的などを説明。次いで京都府立心身障害者福祉センター付属リハビリテーション病院医長の伊藤倫之(ともゆき)さん(45)が、全身を動かしながら行う「動的運動」や「動的ストレッチ」を紹介した。

 伊藤さんは「じっとして行う『静的』な運動やストレッチに比べ、血が固まる危険性が少ない」と長所を解説。「適度な運動は心臓の負担を少なくする効果もある」と呼び掛け、皆で実際に体を動かした。体験した小学6年の男子児童(11)=明石市=は「運動は軽い感じだったけど、無理をせず、水分を取ることが大切だと分かってよかった」と話した。

 運動の後は、3班に分かれて学校生活の悩みなどを話し合った。具合が悪くなった場合でも「先生に言わずに我慢する」と話す女子もおり、看護師らは「先生や友達に話すことが大切」とアドバイスした。

 県立こども病院の患者教室は2010年に城戸さんらが始め、年3回をめどに開いている。これまで「妊娠・出産」「就職」に加え、「自分の病気を知る」ことをテーマにカルテづくりなどにも取り組んできた。

 「思春期になって『できない』ことが増えて挫折したり、就職した後に頑張りすぎてしんどくなってしまう患者が多い。自分の限界を知った上で、やりたいことを探してほしい」と城戸さんは強調する。

 次回の患者教室は、就職をテーマに2月初旬に実施する予定。問い合わせは、県立こども病院地域医療連携室TEL078・945・7300(代表)

 【フォンタン型手術】心臓に二つある心室のうち一つしか機能しない「単心室症」の患者らが対象。肺への血流ルートを人工血管などで新たにつくり、低酸素血症を改善させる。1970年代から行われ、手技は改良されてきた。近年は全国で年間約400件程度、兵庫県立こども病院では年間十数件実施されている。

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