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 日本語能力が十分でない在留外国人に付き添い、医療機関の受診を手助けする「医療通訳」の派遣件数が兵庫県内で、2017年度に初めて千件を突破する見通しとなった。最近3年間で約5倍となる急増ぶりで、県内の事業を担うNPOは財政面や人材面で危機的な状況に追い込まれている。

 医療通訳は、主に日本に住む外国人の患者を対象に、通訳者がともに診察室に入って医師との意思疎通を助ける。医療の現場では、専門用語や日本語の微妙なニュアンスが伝わらず、病状を誤解するケースがある。プライバシーへの配慮が必要な症状や重病の告知などの場面でも、専門的な通訳者のニーズは高い。

 県内でほぼ一手に医療通訳事業を手掛けるNPO「多言語センターFACIL(ファシル)」(神戸市長田区)によると、派遣先は主に協定を結ぶ7医療機関で、特別な事情があれば協定外病院も対象となる。協定病院とのシステムが整った11年度は5件だったが、14年度は204件と約40倍に。16年度は432件で過去最多。本年度は8月までの5カ月間だけで381件を数え、千件を突破するペースとなっている。

 ニーズが急激に高まった要因を、ファシルの李裕美事務局長(37)は「医療通訳を利用すれば、安心して医療を受けられることが在留外国人に広く認知された」とみる。一方、このペースの派遣が続けば、財政的にも人的にも18年度以降の事業継続が危ぶまれる事態になっているという。

 通訳者には、病院と患者から謝礼が支払われるが、派遣事業の中核であるコーディネート業務は無報酬。神奈川県や愛知県などでは、市町村と分担してコーディネーターの人件費を負担する制度があり、李さんは「兵庫県でも財政的な支援をお願いしたい」と要望している。(阪口真平)

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