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先天性サイトメガロウイルス感染児の早期発見と治療に道を開いた山田秀人教授=神戸大病院
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先天性サイトメガロウイルス感染児の早期発見と治療に道を開いた山田秀人教授=神戸大病院

 胎児期に母子感染すると難聴や精神障害などの恐れがある「先天性サイトメガロウイルス感染症」。これまでは、妊娠後に初めて同ウイルスに感染した妊婦からうつると考えられてきたが、神戸大大学院医学研究科などの研究グループは、妊娠前から同ウイルスが潜伏している場合でも胎児にうつる事例が多いことを突き止めた。感染児の見落としを防ぎ、早期の治療が可能になると期待される。成果は米科学雑誌「クリニカル・インフェクシャス・ディジーズ」に掲載された。(佐藤健介)

 研究グループは、同病院を受診した妊婦2193人に、初感染した時期が妊娠中だったかどうかを調べる高精度のスクリーニング検査を実施。同ウイルスと抗体の結合力が時間の経過とともに増す性質などを利用し、感染時期を特定した。

 妊娠中の初感染は93人で、新生児3人の感染が判明。一方で、妊娠前から同ウイルスが体内に潜伏していた妊婦は1287人おり、新生児7人が感染。母子感染の要因を妊娠中の初感染と考える常識を覆す結果となった。さらに、この7人中5人が切迫早産で、母子感染の危険因子が切迫早産だったことが分かった。

 同ウイルスには有効なワクチンはないものの、早期に抗ウイルス薬を投与すれば症状が改善することが多く報告されている。研究グループの山田秀人教授(医学研究科産科婦人科学分野)は「妊娠中に初感染したかどうかだけを診断しようとする従来の検査では、多くの感染児を見落とす可能性がある」と危惧。胎児の超音波や新生児の尿検査で感染の有無を判定する手法も導入すべきだとする。

〈サイトメガロウイルス〉唾液や尿、血液などを通じ、多くは乳幼児期に感染。生後に感染すればほとんど問題はないが、胎児期に母子感染すると、難聴のほか、精神や運動の発達障害などの後遺症を残すことがある。妊娠中に初感染した場合の約4割で母子感染し、日本では年間三千人以上の感染児が生まれているとされる。妊娠中の主な感染経路はきょうだいを含む子どもからだとして、専門家は、飲食物や食器を子どもと共有しない▽おむつ交換やよだれの処理後は手洗いする-などと呼び掛ける。

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