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 兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)と北海道大病院(札幌市)は12日、母体内で胎児を包む「羊膜」の細胞を使い、難治性疾患を治療する世界初の治験を来年春にも始める、と発表した。治験に利用するのは、過剰な免疫を抑制する効果を持つ「間葉系幹細胞」(MSC)。既に薬として実用化されている骨髄のMSCに比べ、羊膜からは数多く取り出すことができるほか、採取時に体への負担が少ないといったメリットがあるという。

 治験対象の病気は、原因不明の腸の炎症が下痢や腹痛を起こす「クローン病」と、骨髄移植された細胞が患者の臓器を異物と認識して攻撃する合併症「急性移植片対宿主病」で、いずれも根治療法が確立されていない。現場の医師が主体で進める「医師主導治験」を2019年度まで実施し、治療薬の開発と製造販売を目指す。

 治験では、帝王切開で出産した母親の羊膜から酵素やろ過作業などでMSCを分離、培養して薬剤を作り、患者約20人の静脈に点滴で投与。投与量で患者をグループ分けした上で、クローン病は1週間ごとに2回、急性移植片対宿主病は1週間ごとに4回繰り返し、効果や安全性を確かめる。

 羊膜は本来、医療廃棄物のため倫理的な問題をクリアできるほか、採取時に体を傷つけずに済む。また、1つの羊膜から数百~数千万個のMSCが取れるという。兵庫医科大病院輸血・細胞治療科の山原研一准教授は「骨髄採取は日本ではほぼ行われておらず、得られるMSCもごく少量。羊膜を活用し、安定供給と低コスト化を目指したい」としている。(佐藤健介)

【間葉系幹細胞(MSC)】骨髄や羊膜などに含まれ、骨や脂肪、筋肉といった体内組織に分化する能力を持つ。拒絶反応を起こしにくく、免疫の働きを調節し、組織の再生を促すとされている。再生医療への応用に向け、難治性疾患治療や関節修復などの治験が進む。

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