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がんが悪化する仕組みの一端を確かめた(左から)竹市雅俊チームリーダーと伊藤祥子研究員=理化学研究所多細胞システム形成研究センター
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がんが悪化する仕組みの一端を確かめた(左から)竹市雅俊チームリーダーと伊藤祥子研究員=理化学研究所多細胞システム形成研究センター
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 がんの増殖や転移を引き起こすとされる細胞の分離を止め、接着力を回復するメカニズムを、理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市中央区)の竹市雅俊チームリーダーらの研究チームが明らかにした。細胞同士が引っ張り合う力を高めるタンパク質を確認したといい、新たな治療法確立につながると期待される。成果は国際科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。

 正常な細胞は隣り合う細胞が強くつながり、生命活動を維持。竹市氏が世界で初めて発見した細胞接着分子「カドヘリン」が“のり”の役割を果たす。がんが進行すると、何らかの原因で細胞の接着機能が著しく低下し、がんの増殖や転移に関わると考えられてきた。だが、この異常を元に戻す治療法は分かっていなかった。

 研究チームは、大腸がんの細胞株に約16万種類の薬剤を投与。約100種類の薬剤で、細胞を増殖させる「微小管」を壊す働きをし、細胞の接着機能を回復する現象が見られた。

 そのうち一つの薬剤「ノコダゾール」を分析すると、細胞の収縮を引き起こす「RhoA」(ローエー)と呼ばれるタンパク質が活性化していた。カドヘリンなどが引っ張られ、離れた細胞同士が接着。収縮で細胞の中央に向かって発生した張力に反応し、カドヘリンにつながって細胞の結合に必要な別のタンパク質が集まってきたとみられるという。

 同センターの伊藤祥子研究員は「微小管を壊さず、ローエーだけを活性化させる方法が特定できれば、治療薬開発に道が開ける」と期待。細胞増殖に関わる微小管を阻害する薬は抗がん剤に使われており、竹市氏は「今回の発見をきっかけに、体に毒でない方法で、がんの転移や浸潤(周囲に広がること)の抑制が可能になるかもしれない」と展望する。(佐藤健介)

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