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実際の映像を交えた講演に取り組む水谷和郎さん=神戸市兵庫区御崎町1、神戸百年記念病院
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実際の映像を交えた講演に取り組む水谷和郎さん=神戸市兵庫区御崎町1、神戸百年記念病院
阪神・淡路大震災当日の兵庫県立淡路病院の様子を記録した映像(栗栖茂さん提供)
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阪神・淡路大震災当日の兵庫県立淡路病院の様子を記録した映像(栗栖茂さん提供)

 阪神・淡路大震災当日、兵庫県立淡路病院(洲本市)で救急対応に当たった医師の水谷和郎さん(53)=神戸百年記念病院(神戸市兵庫区)勤務=が、当時のビデオ映像を使った講演活動を続けている。治療の優先度を決める「トリアージ」が浸透していなかった中で可能な限り多くの命を救った。災害医療の基本を手探りで実践した経験を語り継ぐ。(佐藤健介)

 水谷さんは当時内科に勤務。当直明けだった。被害の大きい旧北淡町や旧一宮町(いずれも現淡路市)から負傷者らが次々に搬送され、心臓マッサージなどの処置に当たった。

 県立淡路病院では当日、6人の死亡を確認。陣頭指揮を執った外科部長の松田昌三さん(故人)は、少しでも容体回復の見込める人の措置を優先せざるを得なかった。水谷さんは「命を救うために、何ができたのか。思い返すと、悔しさで涙が出てくる」という。

 撮影したのは外科に勤務していた栗栖茂さん(69)。学術資料として残した。学会などでしか活用されることはなかったが、2005年、水谷さんは「多くの負傷者を同時に扱う災害医療の実態を伝えなければならない」と決意し、ビデオを用いた講演活動を始めた。

 臨時霊安室での精神科医による遺族ケアや、医師らが診療科を超えて対応に当たったことなど、県立淡路病院の初動は「災害医療のモデルだった」とする。一方、医療スタッフ全員が出勤できたわけではないことなど、課題にも触れる。

 勤務先での診療の傍ら、西日本各地の医療機関などに赴き、教訓を伝える。講演数は100回を超えた。数年前からは自作の証言集「災害エスノグラフィー(民族誌)」も紹介する。

 水谷さんは「指揮系統を事前に整えつつ、職種にこだわらず最良の行動を考えられる人材の養成。それが次の災害へのメッセージだ」と訴える。

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