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神戸労災病院の井上信孝副院長
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神戸労災病院の井上信孝副院長

 神戸労災病院(神戸市中央区)の井上信孝副院長(57)が院内の若手医師を対象に実施した調査で、当直勤務明けは通常勤務時に比べて血液が固まりやすい傾向にあることが分かった。血液が固まりやすいと、過労死につながる脳血管疾患や心臓疾患を起こす可能性も高まる。井上副院長は「血液の状態をもとに疲労度や過労度を客観的に判断できるよう、さらに研究を進めたい」としている。

 全国各地の労災病院の母体となる労働者健康安全機構(川崎市)が、過労死に関連する疾病の予防を重点的に研究しており、その一環として取り組んだ。調査対象は46人で、平均年齢は30歳。睡眠時間の平均は通常時の6時間に対し、当直時は2時間15分と大幅に短かった。

 調査では、当直明けと通常勤務時の朝にそれぞれ1回ずつ採取した血液を、検査機器を使って比較。その結果、46人中33人は当直明けの方が血液が固まりやすくなっていた。個人差はあるものの、血液の固まりやすさを示す指標には最大で2倍近い差があった。内臓の働きをつかさどる交感神経が活発化すると血液が固まりやすくなるため、その影響が考えられるという。

 井上副院長は今後もデータの蓄積を進め、「血液の固まりやすさから疲労度などを数値化し、『見える化』する方法も考えたい」とする。長時間勤務が続いた場合、該当者に産業医との面談などを実施する企業や事業所も増えており、そうした際の判断材料として期待できるという。

 働き方改革は今国会最大の焦点とされる。関連法案では時間外労働の上限を罰則付きで定めることが柱の一つとされるが、一部専門職を規制から外す「高度プロフェッショナル制度」創設も盛り込まれる見通しで、「働き過ぎを助長する」との懸念が出ている。医師の働き方についても、厚生労働省の有識者検討会が改善策を議論している。(田中陽一)

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