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吉村紳一主任教授
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吉村紳一主任教授

 脳梗塞患者に対し、カテーテル(医療用の細い管)で脳の太い血管にできた血の塊(血栓)を取り除く血管内治療を行うと、回復率が4割以上高くなる可能性を、兵庫医科大(兵庫県西宮市)脳神経外科の吉村紳一主任教授らの研究グループが臨床試験で明らかにした。

 脳梗塞は体のまひを起こし、重症化すると寝たきりに至る。詰まった血栓を「t-PA」という薬で溶かすのが基本だが、発症4時間半を越えると出血などのリスクがあるほか、患部が太い血管だと効果が薄いとされるなど課題も抱える。

 だが、カテーテルで血栓を回収して血流を再開させる血管内治療の機器が、2010年に保険対象となった。その後も機器の改良で好成績が報告されており、専門学会が脳梗塞の範囲が狭いなどの要件を満たす患者に勧める指針を示した。

 研究グループは、血管内治療の効果を全国の臨床現場で確かめようと、太い動脈が詰まって脳梗塞を起こし、14年10月~16年9月に兵庫医科大や神戸市立医療センター中央市民病院など計46施設で受診した患者を対象に試験を実施した。

 カテーテルで挿入した金属製の網で血栓を絡め取るなどの血管内治療をした群(1121人)と、血管内治療をしなかった群(同)に分け、来院時の重症度など両群の条件をそろえるために統計学上の修正を加え、発症3カ月後の状態を比較した。すると、治療をした群の35%が介助なしで生活ができるまでに回復し、亡くなったのは10%だった。治療しなかった群と比べると、回復率は44%高く、死亡率は25%低かった。

 さらに、患者の特性を分析すると、広範囲の梗塞など学会指針に該当しない症例にも効果がみられ、吉村主任教授は「血管内治療の適用が広がる可能性がある」と期待する。(佐藤健介)

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