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三好大輔教授
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川内敬子准教授
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川内敬子准教授

 がん細胞の増殖や転移を促すタンパク質だけを破壊して、がん細胞を死滅させることができたと、甲南大フロンティアサイエンス学部の三好大輔教授らのチームが11日付の英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」電子版に発表した。治療が難しい低酸素状態や活性酸素に耐性があるがんへの効果が期待される。

 三好教授らによると、正常状態の細胞遺伝子が二つ以上変異すると細胞はがんとなり、その2割はRAS遺伝子の変異が原因だ。

 チームは、同遺伝子から作られ、がん細胞の増殖や転移を促進するRASタンパク質の一種、NRASタンパク質に注目した。

 研究では、NRAS遺伝子の情報を伝える「NRASmRNA」には四重らせん構造があり、亜鉛とフタロシアニンを結び付けた化合物ZnAPCが結合できることが分かった。この化合物に近赤外光を照射すると、四重らせん構造が分解され、RNAの機能を失い、タンパク質の生産が停止。がん細胞の増殖抑制や死滅につながった。

 四重らせん構造の破壊には、酸素や活性酸素は不必要なことも確認。従来の化学療法などでは治療効果の低かった活性酸素耐性のあるがんや、腫瘍中心部の低酸素環境に存在するがんにも治療効果があるとした。

 共同研究者の川内敬子准教授は「RASタンパク質はさまざまなタンパク質にシグナルを伝える中継点でもある。ほかのがん遺伝子のタンパク質があっても伝達を止めることができる」と説明。三好教授は「今後はマウスでの実験などを経て、治療法の実用化に取り組みたい」と話した。(篠原拓真)

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