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中皮腫サポートキャラバンの活動について語る栗田英司さん(左)と右田孝雄さん=大阪市中央区内本町1
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中皮腫サポートキャラバンの活動について語る栗田英司さん(左)と右田孝雄さん=大阪市中央区内本町1

 アスベスト(石綿)が引き起こすとされるがんの中皮腫を抱える患者がキャラバンを結成し、全国の患者らを励ます活動を続けている。結成から1年間に18カ所で講演などを行い、国に救済制度の拡充や新薬の早期承認なども求めてきた。メンバーらは「予後の悪い病気だが、明るく元気に生きている姿を伝えたい」と意欲を見せる。

 患者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の栗田英司さん(51)=千葉県鎌ケ谷市=と右田孝雄さん(53)=大阪府岬町=らが中心になって昨年9月に結成。各地の患者7、8人で活動を続けている。

 中皮腫は主に石綿が原因とされ、患者が増加。この20年で死亡者数は3倍以上に増えている。

 栗田さんは33歳で腹膜中皮腫を発症し、手術を繰り返してきた。余命1年と宣告されてから約19年の闘病生活を続ける。

 右田さんも16年7月に胸膜中皮腫と診断され、余命2年と言われた。一時、なんで自分がこんな病気になったのかと涙を流したこともあったが、「前向きに生きる」と考え方を変えた。

 2人は医師から絶望的な宣告を受けながらも元気でいる姿を全国の患者に見せたいと思い、活動を始めた。北海道を皮切りに兵庫県、大阪府などを訪問。闘病体験や生と死の考え方などを語り、約80人の患者と向き合ってきた。

 日本のこれまでの石綿使用量を考えると、中皮腫患者は今後さらに増加が見込まれる。2人は今年6月、治療薬として「オプジーボ」の早期承認を厚生労働省に要望。また、「省庁交渉だよ 全員集合!」をキャッチフレーズに、計34人の患者が遺族らとともに厚労省と交渉し、労災補償と石綿健康被害救済法の救済措置との格差解消や、新薬の開発促進を求めた。

 2人は「患者によって治療法はさまざま。どのような治療があるのか、どんな支援策があるのか、情報をまとめた事例集を作りたい」と話している。

 栗田さんは10月29日午後1時半から近鉄百貨店上本町店10階「近鉄文化サロン」で開催される「闘病記フェスティバル」で講演する。キャラバンの問い合わせは「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」フリーダイヤル0120・117554

(中部 剛)

【悪性中皮腫】主にアスベストが原因とされるがんで、吸い込んだ後、十数年から40年の潜伏期間を経て発症する。胸膜、腹膜、心膜などの中皮腫があり、診断や治療が難しい。厚生労働省によると、中皮腫による死亡者数は1985年に500人だったが、2017年は1555人に増加。都道府県別では兵庫県が2番目に多く132人。

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