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小山英則主任教授
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睡眠中の体の動きなどを測定するアクティグラフ。「眠りの質」の研究に用いられる(兵庫医科大提供)
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睡眠中の体の動きなどを測定するアクティグラフ。「眠りの質」の研究に用いられる(兵庫医科大提供)

 脳のストレスがどんな病気を招くのかをテーマに、専門分野を超えて研究するプロジェクトが、兵庫医科大(兵庫県西宮市)で2月に始動する。学内の各研究者がアイデアを持ち寄り、疲労や睡眠と、心臓病や生活習慣病との関連性など、疾患のメカニズムを基礎と臨床の両面から解明し、予防・治療法の開発を目指す。同大は「兵庫県の医療と産業に貢献し、新たな知見を世界へ発信したい」としている。(佐藤健介)

 痛みや疲れ、不眠などで引き起こされるストレスは、血圧上昇や炎症、自律神経や腸内細菌のバランス悪化など、さまざまな形で心身に影響を及ぼすと考えられてきた。客観的な根拠を示そうと同大がプロジェクト化し、2018年11~12月に学内で共同研究者を募集した。メンバー選考を経て、2月中旬にもプロジェクトチームが発足する。

 研究対象の疾患は、心不全などの循環器疾患から糖尿病などの代謝異常、がんや精神疾患に至るまで多岐に渡る。体内の分子を画像で観察する技術「分子イメージング」や、長期の追跡調査なども織り交ぜ、病気の判別や進行度を推し量る物質「バイオマーカー」を特定し、因果関係を探る。

 同大などの先行研究で、睡眠の質が悪い人は食事量を調整するホルモンが乱れて肥満や糖尿病のリスクが高まるほか、血管が硬くなることが判明している。また、わずか一晩でも徹夜して睡眠が不足すると、アルツハイマー病に関わるとされる脳内のアミロイドβ(ベータ)量が増える-と米国のグループが発表。こうした成果もベースに、テーマを設定するという。

 主任研究者を務める同大内科(糖尿病・内分泌・代謝科)の小山英則主任教授は「糖尿病や高血圧は、病気の危険因子として氷山の一角。潜在的なストレスの問題を明らかにし、発症や予後の予測を可能にするのが狙い。臨床応用を進め、将来は企業とも連携し、医療・健康産業の発展につなげたい」と展望を語る。

 同プロジェクトの外部評価者には、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター(神戸市中央区)の渡辺恭良センター長が就任する。抗疲労に関する多数の研究成果を挙げてきた立場から、「現代人は厳しいストレスが引き金となり、多種の疾患を発症するが、どの疾患に移行するかは定かでない。時宜を得た試みで、世界に先駆けたチャレンジだ」と期待。同大の野口光一学長は「医学研究の新たなステージを切り開き、医療の進歩と健康に寄与したい」としている。

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