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 神戸市が今春から始める認知症事故救済制度。高齢者は自己負担ゼロで認知症診断を受けることができ、認知症と診断されれば事故で賠償を求められた際に賠償金などを支給する。財源は市民税を増税し、広く賄う。認知症の高齢者や家族、事故の被害者などを救済するとともに、早期発見を推進し、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指す。(若林幹夫)

■事故救済制度

 市が有識者と議論を重ねて創設した全国初の「神戸モデル」は、事故救済と認知症の診断助成を組み合わせた。

 救済制度は、認知症と診断された人が対象。火災や、人・物を傷つけた場合、本人の判断力低下などで賠償責任が認められなくても被害者への見舞金として、最大3千万円が支払われる。発生場所は市内外を問わないが、被害者が市民以外の場合、支給額は10万円までとなる。

 賠償責任があると判断された場合に備え、市が保険料を負担する民間保険に登録すれば、本人や家族に最大2億円が支払われる。鉄道事故でダイヤが乱れて多額の賠償金を求められた際もカバーされる。自動車損害賠償責任保険がある自動車事故は含まない。

■診断助成制度

 救済対象となるには、65歳以上の市民で、2段階の診断を受ける必要がある。最初は本人や家族の希望、かかりつけ医の勧めを受け、地域のクリニックなどで問診形式の認知機能検診を受ける。認知症の「疑いあり」と診断された場合、認知症疾患医療センターに指定されている病院など専門機関で頭部の画像診断など精密検査を受ける。

 最初の認知機能検診を受けるには受診券が必要。各地の介護相談窓口「あんしんすこやかセンター」などに申込用紙が置かれ、検診費(6500円程度)は無料になる。精密検査は保険診療だが、自己負担分は後日市が返金する。

 第1段階は326施設、第2段階は53施設が登録されている。施設は市のホームページで確認できる。

 制度創設の議論は認知症の高齢者の事故負担をどう救済するかという視点から始まったが、早期受診を促し、必要な治療や投薬に結びつける狙いがある。

 一人でも多くの市民に診断を受けてもらうため市営地下鉄の駅構内などにポスターを掲示。市医師会の置塩隆会長は「早期発見できれば支援が早くなり、進行も遅らせることができる」と意義を強調する。

■市民税1人400円増

 市は賠償金支給や診断助成の制度運用に年間約3億円が必要と見込む。「加齢によって誰もがなり得る病気」とし、既存の財源ではなく、個人市民税(均等割)を納税者1人当たり400円上乗せし年額3900円とする。2018年12月の神戸市会で関連する「市認知症の人にやさしいまちづくり条例」などが改正され、6月の徴収から増税される。

 神戸市保健福祉局の三木孝局長は「認知症になると不安が大きい。神戸モデルで本人、家族にとって安心を得られるようになる」と話している。

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