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「ここ数年の医療の進歩はすごい。映画はがんのイメージを変えるのでは」と話す三宅流監督=大阪市淀川区十三本町、淀川文化創造館シアターセブン
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「ここ数年の医療の進歩はすごい。映画はがんのイメージを変えるのでは」と話す三宅流監督=大阪市淀川区十三本町、淀川文化創造館シアターセブン

 2人に1人が「がん」になると言われる時代。ある日突然、医者から「がんの疑いがあります」と告げられたら…。ドキュメンタリー映画「がんになる前に知っておくこと」は、医師や看護師、経験者らのインタビューを通じ、がんを巡る最前線の世界を描く。伝わってくるのは、「がん=死」のイメージとは対極の、「病気と共に自分らしく生きる」というメッセージだ。(鈴木久仁子)

 制作のきっかけは、映画のプロデューサーを務める映像ディレクター、上原拓治さんが義妹をがんで亡くしたことだった。「がんと向き合おう」と決意し、映画の制作を思い立ったという。10年ほど前から付き合いがあり、最も信頼していた三宅流(ながる)監督に撮影を持ちかけた。

■初心者の目線

 これまで主に、身体表現や伝統芸能の映画制作を手がけてきた三宅監督。「がんは身近な存在ではなく、調べると知らないことばかり。ネットでもなかなか正確な情報にたどりつかなかった。きちんと知りたいと思った」と振り返る。

 映画には医師や看護師だけでなく、支援するNPO法人、がんの経験を生かして活動するピアサポーターなど、さまざまな立場の15人が登場。インタビューで言葉を紡ぎ、がん治療や支援の形を多角的に描く。

 「初心者の自分たちと同じ目線」にこだわり、劇中で話を聞くナビゲーターには、自身も検診で「乳がんの疑いあり」と判定されたことがある女優・鳴神(なるかみ)綾香さんを起用した。三宅監督は「医療関係者の話を聞くという形だけではなく、彼女が聞きたいことも尊重し、一緒に学んでいける作りにした」と狙いを明かす。

 テーマも、がんの正確な医療情報の取得方法▽三大治療の「抗がん剤」「手術」「放射線治療」▽「緩和ケア」の考え方▽医者と患者をつなぐ「がん専門看護師」▽「相談支援センター」の業務-など多岐に及び、がんに初めて向き合う人に役立つ情報も多い。

■長所と短所

 三宅監督は、医療には「0か100か」はないと強調する。「逆に、100%治るとうたっているのはインチキ。人生が多様なようにがんも多様で、受け止めて考え続けることが大切だ。それぞれの治療には長所と短所がある。撮影を通じ、後悔しない選択をすることは、自分がどう生きたいのかを考えることだと気付かされた」

 今もし「がんの疑いがある」と言われたら?と問われ、「以前のように、真っ白になることはないでしょう」と答えた三宅監督。「信頼できる窓口から正確な情報を得て、選択していくことが大事。若い人にもぜひ見てほしい」と呼びかける。

 108分。大阪・第七藝術劇場(大阪市淀川区、26日まで)、京都シネマ(京都市下京区、19日まで)で公開中。元町映画館(神戸市中央区元町通4)でも5月以降に公開する予定。

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