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高精度でiPS細胞を培養するロボット「まほろ」=神戸市中央区港島南町2、理化学研究所・生命機能科学研究センター
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高精度でiPS細胞を培養するロボット「まほろ」=神戸市中央区港島南町2、理化学研究所・生命機能科学研究センター
iPS細胞で作った視細胞を移植したラットの眼球に異常がないか顕微鏡でチェックする=神戸市中央区港島南町1、医療イノベーション推進センター
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iPS細胞で作った視細胞を移植したラットの眼球に異常がないか顕微鏡でチェックする=神戸市中央区港島南町1、医療イノベーション推進センター
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 あらゆる種類の細胞に変化できる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を応用した治療法や医薬品の開発を、兵庫県の研究機関や企業が下支えしている。神戸ポートアイランド(神戸市中央区)の神戸医療産業都市に理化学研究所などが集積する立地を生かし、ロボットを駆使した細胞培養技術や移植の安全性確認を進め、研究環境を格段に向上させている。(佐藤健介)

 iPS細胞で作った臓器や組織を患者に移植する再生医療では、全国でパーキンソン病や重い心臓病、脊髄損傷などの治療法研究が進む。網膜が傷み失明の恐れがある「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」では、神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)や理研などのチームが、iPS細胞で作った網膜細胞を移植する臨床研究を世界で初めて実施した。

 研究や治療に使うiPS細胞は生体と近い状態に保たれていることが必須だ。だが培養は研究者の手作業を経るため、熟練度によって細胞の質にばらつきがあった。課題克服のため、理研・生命機能科学研究センターは昨年から、ロボットで細胞培養を自動的に行う実験に取り組む。

 ロボットは東京のメーカーが開発。2本のアームでiPS細胞を培養機器から取り出したり、培養液を入れ替えたりし、均質な細胞作りを目指す。

 作業を機械で完全に代行できれば、研究者が構想や考察に集中できる利点もある。将来的には人工知能(AI)を搭載し、手順を自ら改善できる機能も検討中だ。理研の神田元紀研究員(31)は「ロボットによるiPS細胞作製を実用化し、応用研究を後押しできれば」と意気込む。

 iPS細胞を使った再生医療では、がん化のリスク抑止も大きな課題だ。

 神戸医療産業都市推進機構・細胞療法研究開発センター(神戸市中央区)では、iPS細胞由来の視細胞を移植した検体に、がん増殖に結びつく腫瘤(しゅりゅう)などの異常がないか確かめている。神経の基となる細胞を脳に移したマウスでも、異常の有無を観察。このデータは、慶応大が世界に先駆けて実施する脊髄損傷治療の研究でも活用されている。

 京都大から遺伝子異常の起きたiPS細胞の提供を受け、網膜細胞や心筋細胞に分化させた後、形状や組織に不具合がないかも調べている。川真田伸センター長(62)は「患者にとって何より大切なのは、安全性を高めること」と話す。

 理研はさらなる成果を目指し、ノーベル賞を受けた山中伸弥教授が率いる「京都大iPS細胞研究所」など関西3機関と協定を締結し、細胞作製から手術まで協力体制を構築。神戸市とも人材育成や産業創出に向けた協定を結んだ。山中教授が唱える「オールジャパン体制」が整いつつある。

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