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 放射線の一種・陽子線でがんを治療する兵庫県立神戸陽子線センター(神戸市中央区港島南町1)は小児がん患者に向けた新たな治療法を導入した。患者の脳や脊髄に限定して陽子線を当てる治療で、従来のエックス線治療と比べて正常な細胞への照射が抑えられ、子どもの発育に与えるダメージを小さくできるという。(篠原拓真)

 同センターは国内で初めて小児がん治療に重点を置いた陽子線治療施設として2017年12月に開設された。隣接する県立こども病院の小児専門スタッフとも連携し、負担が少ない治療を提供。18年9月までに成人を含む計76人が治療を受けた。

 陽子線はエックス線を使う放射線治療と比べ、がん細胞を集中して破壊できる。センターによると、新たな治療法は陽子線を使った全脳全脊髄照射で、脳や脊髄の広範囲に病気が広がることのある一部の小児脳腫瘍治療に有効とされる。頭部、背中、腰の3カ所に分け、脳と脊髄全体に陽子線を当ててがん細胞を破壊し、拡大も予防する。

 ただ、3カ所に分けるため、照射部分が重なって線量が不均等になれば、線量が適切な範囲に収まらないこともあり、ビームの調整が課題だった。同センターでは人形やスタッフらのコンピューター断層撮影(CT)画像を使い、照射角度や範囲、照射口と身体との距離の調整を試行。一定の線量で安定的に陽子線を照射できる技術を確立し、今年2月から治療を始めた。

 小児がんの放射線治療を巡っては、白血病や甲状腺がんなどの二次がんや、将来の不妊などのリスクが問題になっている。陽子線はエックス線と比べて副作用などを低減することができるとされる。同センターは今後、がんの形に合わせて照射できる装置を臨床現場でも使用できるようにし、治療効果を高めるという。

 副センター長の福光延吉医師は「不必要なところには当てずに治療ができ、副作用などのリスクも大きく下がる。小児がんの子どもたちが将来に希望が持てるよう治療に取り組みたい」としている。

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