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認知症の当事者が接客するイベント「だんない」のリハーサル風景=26日午前、丹波市柏原町、山カフェ(撮影・久保田 輝)
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認知症の当事者が接客するイベント「だんない」のリハーサル風景=26日午前、丹波市柏原町、山カフェ(撮影・久保田 輝)

 団塊の世代の人が全て75歳以上となる2025年、全国で約700万人に上ると予想されるのが、認知症の患者だ。兵庫県内では約30~33万人、高齢者の5人に1人と見込まれる。症状を正しく理解し「共生」を求める声が高まる中、認知症の当事者が接客をしながら、地域住民らと触れ合う試みが県内で始まっている。丹波市で9月に開かれた喫茶イベントでは、物忘れなどの症状がある高齢女性がコーヒーを運んだり、客と談笑したりした。

 今年6月に閣議決定された政府の認知症施策推進大綱では、認知症の人が暮らしやすい社会を目指す「共生」が柱の一つで、当事者の発信の機会を増やすことが盛り込まれている。県内では、認知症サポーターの養成や情報交換の「認知症カフェ」の開設が進められてきた。

 同県丹波市で開かれた喫茶イベント「だんない」は、当事者がスタッフとして関わることで注目を集める。初回の7月は約50人、9月は約60人が来場。次回は11月30日に開催する。

 「だんない」は「大丈夫」などの意味で、丹波市南部地域包括支援センターなどでつくる実行委員会がイベントを企画した。その一人で保健師の山本悠子さん(41)は「認知症に『こわい』というイメージを持つ人がいるけれど、冗談を言って接客する当事者と触れ合うことで、できることはたくさんあり、できないことは周囲が助ければいいと気づいてほしい」と話す。

 当日、保健師やケアマネジャーのサポートを受けながら接客に挑戦した女性(82)は「楽しかった。心を元気にしていただきました。認知症を隠そうとは思いません。隠さなあかんことですか? 私は自然に生きたい」と話した。

 一軒家で猫と暮らす女性。夫は2007年に肺がんで亡くなった。週3回、デイサービスに通い、市内に住む娘らがサポートに訪れる。女性は「長い人生、いろいろあります。認知症やからどうの、というより、心が平穏無事であればいい」とも。

 同様のイベントは阪神間でも開かれている。11月17日には、認知症のある人もない人も一緒に働く「オレンジいろのインド料理店」が西宮と宝塚で企画されている。発起人で介護福祉士の小林呉秀智(ごしゅうち)さん(45)は「触れ合うことで認知症を身近に感じ、みんなが交ぜ合わさった社会になってほしい」と話す。

 丹波市南部地域包括支援センターTEL0795・78・9123

(中島摩子)

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