医療

医療ニュース
  • 印刷
厚生労働省も清掃作業時の注意を呼び掛ける(厚生労働省ホームページから)
拡大
厚生労働省も清掃作業時の注意を呼び掛ける(厚生労働省ホームページから)
子どもの災害時の感染症対策は(KADOKAWA「マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK」から)
拡大
子どもの災害時の感染症対策は(KADOKAWA「マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK」から)
佐久医療センター小児科医医長の坂本昌彦さん(坂本さん提供)
拡大
佐久医療センター小児科医医長の坂本昌彦さん(坂本さん提供)

 <水害後の掃除に子どもは関わるべきではありません。子どもの健康を守る立場の小児科医として発信しています>東日本各地に豪雨被害をもたらした台風19号。被害の様子が明らかになった10月17日、佐久医師会(長野県佐久市)による子育て世代向けの小児医療啓発プロジェクト「教えてドクター!プロジェクトチーム」がツイッターを更新した。なぜ水害の後片付けに子どもが参加してはいけないのか。チーム責任者を務めるJA長野厚生連佐久医療センターの小児科医長、坂本昌彦さんに聞いた。(ネクスト編集部 金井かおる)

 ーツイートから緊迫感を感じました。

 「きっかけは台風15号のニュースです。経過後、ジャージー姿の子どもたちが堤防の掃除をするシーンが映っており、川に転落しないか心配でした。がんばる子どもの姿から、被災した人が元気をもらえることも分かりますが、危険と隣り合わせの行動は疑問。そんな中、アメリカ小児学会が『水害の後片付けは子どもにはリスク』と発表していることを知りました」

 ーなぜ子どもにはリスクが?

 「子どもは皮膚が薄いため、いろいろなものを吸収してしまいます。また背丈の面からほこりや薬物も吸い込みやすいのです」

 ー現場にはどんな危険がありますか。

 「水害のあとは、水や泥の中に大腸菌やサルモネラ菌などが含まれており、感染症の危険があります。また、化学薬品や農薬などが流出したことによる化学物質によるリスクも考えられます。刃物や割れたガラスなど危険物によるけがの恐れもあります。私も佐久市の災害ボランティアの現場で実感しました」

 「被災住居の中には、泥とともに空の農薬のビンが転がっていました。中身の農薬は、途中で流出したのかもしれません。農薬に直接触れることも危険ですし、空き瓶も危ない。家具の中に積もった泥をかき出すと、泥に隠れていたハサミに触れました。和室の濡れた畳を持ち上げると、床下には泥水が貯まっていました。同じチームのベテランボランティアが言うには、こうした泥水には下水が混じりカビが生えたり悪臭が伴うことがあるそうです」

 ー中高生や大学生なら。

 「私見ですが、小学生以下はだめでしょう。病院の診療では、中学生までは小児科受診、中学卒業後から大人と同じ内科になりますよね。これも1つの目安。アメリカ小児学会の声明では『水害の後片付けは10代はだめ』『大人が清掃し、子どもは最後に戻るグループだ』といわれています。まわりの大人たちも、災害の後片付けは危ない場所という認識が必要です」

 ー大人でも注意すべき点は多そうです。

 「まずはボランティア保険に加入し、マスクや長靴、ゴム手袋を準備。服装はジャージーなどの軽装ではなく、水が肌に触れないようなしっかりした材質の完全防備で作業してください」

■厚生労働省も対策呼び掛け

 厚生労働省はポスターを作成し、被災した家屋での感染症対策について「災害時には、感染症の拡大リスクが高まります。家屋の清掃で感染症を発症する恐れもあります」と注意を呼び掛けている。清掃作業をする人への注意事項として、傷口からの感染と土ほこりへの対応を挙げ、予防策として、丈夫な手袋や底の厚い靴などを着用/長袖など肌の見えない服装を着用/ゴーグル・マスクを着用/作業後の手洗いなどを挙げている。

医療ニュースの新着写真
医療ニュースの最新
もっと見る

天気(7月12日)

  • 28℃
  • 24℃
  • 30%

  • 26℃
  • 22℃
  • 40%

  • 27℃
  • 23℃
  • 40%

  • 27℃
  • 23℃
  • 30%

お知らせ