コロナ重症度で入院先割り振り 奮闘する看護師ら
2020/05/04 10:25
新型コロナウイルスの感染患者の入院調整を担う兵庫県の「入院コーディネートセンター」=神戸市中央区中山手通5、兵庫県災害対策センター
新型コロナウイルス感染患者の入院先を一元管理し、重症度に応じて割り振る兵庫県の「入院コーディネートセンター(CCC)」で看護師らが奮闘している。院内感染などクラスター(感染者集団)が発生した地域の医療崩壊を防ぐのが目的だ。県内の医療体制の逼迫(ひっぱく)度は一時期より改善してきたが、担当者は「患者を確実に医療機関につなぐ使命を果たしたい」と力を込める。(金 旻革)
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CCCは県の新型コロナ対策本部の一角にあり、医務課の職員と看護師、保健師ら約10人が担う。伊丹市の介護施設などでクラスターが発生し、地域の保健所では入院調整が困難になった教訓を踏まえ、3月19日に設置された。
阪神・淡路大震災後に国が整備した救急医療情報システムを活用。新型コロナ対応病院の空き病床数を一元管理し、各保健所が担っていた搬送調整を広域的に行うのが役割だ。
「最初は軽い症状を訴えていても、陽性判明後に症状が重くなる場合がある」とCCCで働く看護師、浅田弘子さん(56)。ある保健所で医療体制が逼迫した場合、症状に応じた適切な受け入れ先を探せなくなるケースも考えられるが、広域的に調整することで重症者を優先できるという。
人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」などの救命機器を備え、重症患者を治療できる病院は限られる。新型コロナは軽症者が多い傾向にあるが、浅田さんは「容体が急変することがあり、見極めが難しい」と話す。
県によると、新型コロナ患者に対応する県内の病床は4月30日時点で約40施設、454床に拡大。だが4月中旬は296床で、当時は8割超の病床が埋まっていた。妊娠や人工透析など患者の状態によって受け入れ可能な病院が異なることもあり、CCCの入院調整は難航した。浅田さんは「病床に余裕があれば15分ほどで調整できるが、1時間かかる時もあって綱渡りだった」と振り返る。
軽症や無症状の人が療養する宿泊施設の確保も進むが、感染症指定医療機関の神戸市立医療センター中央市民病院などで院内感染が発生。コロナ患者の受け入れが制限され、4月下旬は神戸市内の陽性患者の調整依頼が目立った。
ただ、神戸市内の感染者数も1桁台に減り、CCCへの依頼も減少傾向にあるという。浅田さんは「クラスターが発生する危険は常にある。緊急時に機能するよう備えたい」と話す。
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