感染拡大の実態把握へ 中央市民病院で再び抗体検査
2020/06/01 20:07
神戸市立医療センター中央市民病院=神戸市中央区港島南町2
新型コロナウイルス感染拡大の実態を把握しようと、神戸市と市立医療センター中央市民病院(同市中央区)は1日、同院の外来患者千人の血液から感染歴を調べる抗体検査を行うと発表した。同院では3月末~4月上旬にも患者千人に同検査を行い、33人の陽性を確認。その後の感染拡大ピークを経た広がりを検証する。6月下旬に結果を公表する予定。
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同市が費用を負担し、同院と共同で、5月26日~6月15日に採取した血液中の抗体を調べる。前回も使用したクラボウ(大阪市)のキットに加え、米国食品医薬品局(FDA)が許可した米国製のキットを併用し、精度も確かめる。
抗体は感染後しばらくしてできるとされ、今回採取する血液中の抗体は、4月の感染拡大ピークを反映するとみられる。
市役所で会見した同院の木原康樹院長は「仮説としては、以前の数値よりも増えるのでは」と話す。久元喜造市長は「今後はまん延の状況が見えにくくなる恐れがある。拡大の兆しは早期に把握したい」と述べた。
また、同市は7月~来年3月、市内の各医療機関で、救急外来や手術前の患者らを対象に月1800人程度、積極的にPCR検査をする。短時間で感染を調べる抗原検査も、既に市内の帰国者・接触者外来など医療機関4カ所に各100キットが導入され、クラスター(感染者集団)発生時などに活用する。(井川朋宏)
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