回復患者受け入れで病棟閉鎖したら 神戸市が支援金支給
2021/02/11 05:30
神戸市役所=神戸市中央区
新型コロナウイルスから回復した患者の転院を促すため、神戸市はこのほど、受け入れ患者から万一、院内感染が発生して病棟閉鎖を強いられた場合は、逸失利益を補填(ほてん)する観点に立ち、支援金を支給する独自の制度を設けた。
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同市地域医療課によると、制度を新設したのは2月3日。コロナから回復した患者を受け入れたことにより万一、院内感染が発生し、保健所の指示で閉鎖を強いられた病棟があった場合は、病床数に応じ一定額を支援する。
例えば50床の病棟の閉鎖を余儀なくされた場合、436万円余りが支給されるという。兵庫県は緊急事態措置の期間中、回復患者を受け入れた医療機関に1人当たり10万円を支給する支援策を実施しているが、それとは別の“保険”を用意した形だ。
背景には、回復患者の転院時に必ずしもPCR検査を実施しないという事情がある。中には「陰性確認」を受け入れ条件とする病院もあったといい、院内感染への不安が転院先確保の壁になっていた。
市地域医療課の境智司課長は「退院基準を満たした患者が感染力を持つことはないと考える」とした上で、「民間病院がクラスター(感染者集団)を心配するのは理解できる。この制度で少しでも安心して受け入れを促進してもらえれば」と話す。(霍見真一郎)
【特集】目で見る兵庫県内の感染状況