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 人手不足が全国で深刻化している。兵庫県内でも景気の改善傾向や働き手の減少などにより、建設や外食、介護、観光など幅広い業種に拡大。廃業に追い込まれるケースや、賃金の高騰で収益が悪化する企業も出てきた。企業は時給アップや営業時間の短縮で打開を図るが、好転の兆しは見えない。

 「もう体力的に限界だった」

 60代の男性は昨年末、神戸市内で40年以上営んだ飲食店を閉めた。昼夜営業し、パート5人を雇った時代もあった。求人を出しても集まらなくなったのは3年ほど前からだ。

 メニュー数を削ったり、夜のみの営業にしたり。常連客の思いに応えようと、妻と2人で店を切り盛りしてきた。赤字ではなかったが「高齢になるにつれ家族だけでは回せなくなった」。断腸の思いで店を閉めた。

 「中小規模の店は、営業時間を短くしては経営が成り立たない」。県内の飲食店でつくる「県飲食業生活衛生同業組合」の入江真弘理事長(60)は懸念する。「人が確保できずに収益が減る。賃金を上げられず、応募がない。その悪循環が続いている」

 自身も神戸市内で2店舗を営むが、人員はピーク時の3分の1。今は自ら調理場やホールに立つ。「賃金の引き上げによる“人取り合戦”には限界がある。抜本的な解決策があればいいが…」

 姫路市内の小売業者は昨年、アルバイトの賃金を約1・3倍に引き上げた。それでも問い合わせは少なく、担当者は「収益が悪化しただけ」とぼやく。

 長く続いた建設不況で採用を控えてきた建設業界。現場の作業員だけでなく、建築士など資格取得者の確保も難しくなっている。

 同市内の建設会社の経営者は「建築士の応募がなく、定年を過ぎた人にそのまま働いてもらっている。受注は好調だが、従業員が足りず断った仕事もある」と困惑していた。

■求人倍率バブル期以上■

 人手不足は全国的な課題だ。3日発表の日銀短観では、企業の人手不足感を示す指標「雇用人員判断DI」が、バブル経済末期の1992年以来の水準に。大手のファミリーレストランやファストフードが24時間営業を廃止するなど、外食業や小売店は営業時間の短縮を進める。

 不足感は県内でも幅広い業種に広がる。

 兵庫労働局によると、2月の県内の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・02ポイント増の1・22倍。昨年9月以降、バブル経済期の最高値1・14倍を連続して上回っている。業種別では「建設・採掘」の4・35倍、「サービス」の2・43倍、「看護師など」の2・91倍などが高い。

 同局は介護の職場見学会などを企画。「雇用のミスマッチを防ぎ、不足の慢性化に歯止めをかけたい」としている。(末永陽子)

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