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 生物の設計図であるゲノム(全遺伝情報)について神戸大(神戸市灘区)などで開発された新技術を事業化するベンチャー企業2社が、同大学内に誕生した。1社はDNAの塩基配列を変える「ゲノム編集」をより正確に行える技術を基に、既に海外のベンチャーキャピタルから出資も受けた。「神大発の技術」で病気の治療や農作物の品種改良につなげることができるか、注目が集まる。

 1社は、バイオパレット社。病気の原因となる遺伝子を操作して治療したり、農作物の収穫量や品質を高めたりするゲノム編集の新技術を核とする。

 従来の手法はDNAの鎖を酵素ヌクレアーゼによっていったん切断し、それらが修復する作用を利用することで配列を変える。ただ、予測しない塩基配列になったり、細胞が死んだりするリスクがあった。

 同大大学院科学技術イノベーション研究科の西田敬二教授や近藤昭彦教授らの研究成果を基にしたバイオパレットの技術は、別の酵素デアミナーゼなどを用い、DNAの鎖を切ることなく、狙った塩基配列に変えられる。切断しないため細胞にかける負担が小さく、一度に複数箇所の配列を変えられるほか、より幅広い種類の生物に適用できるという。

 サイエンスやネイチャー・バイオテクノロジーなどの科学誌で技術を発表した。また欧米や中国、インドなどで豊富な投資実績を持つ米国系ベンチャーキャピタル2社から計約4億円を調達。今後は、安全性を確かめる臨床試験や、農作物などの開発を進める。

 近藤教授は「米国の研究が先行するゲノム編集分野だが、日本発の技術として事業展開につなげたい」と話す。

 もう1社は、DNA合成技術の事業化を図るシンプロジェン社。遺伝子を内部に取り込んで結合する枯草菌の働きを生かしており、従来はつくれなかった医薬品などの開発を目指す。(長尾亮太)

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