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 2017年度の最低賃金が9月末から10月にかけて改定される。働く人に賃金の最低額を保障する制度で関心は高いが、その仕組みはあまり知られていない。額の決め方や、改定でどんな影響があるかを考えてみよう。(塩津あかね)

 -最低賃金って?

 「正社員、パート、アルバイトなどに関係なく、雇用されて働く人に支払われる賃金の最低の時給額だよ。ただ、企業の経営者や委託を受けて仕事をする個人事業主など、雇われていない人は関係ないんだ」

 -どうやって決めるの?

 「まず、大学の先生といった有識者や労働組合、経済団体のメンバーなどで構成する中央最低賃金審議会が、経済状況などで格付けしたA~Dのランクごとに引き上げ幅の目安を決める。この目安をもとに、各都道府県の状況を踏まえて地方審議会が決めるんだ。目安と同じ引き上げ幅になることが多いけれど、上回ることも下回ることもあるよ」

 -17年度の改定の内容は?

 「全国平均で848円となり、16年度に比べて25円増えるんだ。上昇率は3%。引き上げ幅の25円は、時給ベースで決めることになった02年度以降で最高だった16年度と同額だよ。政府は最低賃金千円を目指していて、毎年3%程度引き上げる方針だから、それに沿った形だね」

 -兵庫はどのように改定される?

 「10月1日から適用され、16年度より25円アップの844円になる。兵庫はBランクで、17年度は目安と同じ引き上げ幅だったけど、16年度は目安を1円上回った。ちなみに、最低賃金が月収ベースの手取りで生活保護の受給額を下回る『逆転現象』は、3年連続で起こっていないよ」

 -使用者が最低賃金を支払わなかったら、どうなるの?

 「労働者を保護するための最低賃金法に違反するので、50万円以下の罰金を支払わないといけない。アルバイトをする時は、最初の契約の時に最低賃金を上回っているかどうかを確かめよう。1カ月間にもらったお金を、自分が働いた時間で割って確認することも大事だね」

 -もらえるお金が増えるのはうれしいな。

 「最低賃金の改定の影響が一番大きいのは、アルバイトやパートなどの非正規労働者だ。正社員に比べてずっと低い賃金で働いている人が大半。家計の補助でなく、その賃金で家計を支えている人も多い。だから、そういう人たちの待遇が改善されるのは歓迎すべきことだね」

 -問題もあるのかな?

 「地域間で賃金の格差が広がっていることだ。水準が最も低いのが、沖縄と九州(福岡を除く)に、高知を合わせた計8県が737円。最高の東京(958円)との間で221円の差が生じる。その差は16年度よりも3円拡大してしまったんだ。都会ほど賃金が高いので、地方から人口が流出してしまう恐れが指摘されているよ」

 「今は人手不足で中小企業は社員を十分に確保できず、パートやアルバイトに頼っているところが多い。こういう企業にとっては、人件費が増えて負担がのしかかる。また、結婚相手の扶養控除の枠の中で働いている人にとっては、税金などが増えたりしないよう、年収103万円などの枠内に抑えるために、働く時間を減らしてしまう。だから、人手不足に悩む企業でさらに人手が足りなくってしまうんだ」

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