経済経済keizai

  • 印刷
東京の虎ファンが集う「和洋旬彩 田吾作」。常連も初顔も、阪神戦のテレビ中継を囲めばすぐに仲良し=東京都新宿区
拡大
東京の虎ファンが集う「和洋旬彩 田吾作」。常連も初顔も、阪神戦のテレビ中継を囲めばすぐに仲良し=東京都新宿区
阪神タイガースショップ神宮店には、東京限定販売のオリジナル応援グッズも=東京都渋谷区神宮前2
拡大
阪神タイガースショップ神宮店には、東京限定販売のオリジナル応援グッズも=東京都渋谷区神宮前2

 広島カープが2連覇を決めたプロ野球セ・リーグ。2位で追っていた阪神タイガースは目の前、しかも甲子園で胴上げを見せつけられた。それでも壁一面、虎グッズで埋まったこの店は連日のように満員だ。

 東京都新宿区の居酒屋「和洋旬彩 田吾作」(17~24時、定休日はシーズン中は月曜、オフは日曜。TEL03・3205・1185)。テレビの向こう、選手の一挙手一投足に常連も初めての客も、歓声、ため息、ハイタッチ。この一体感は東京にいながらホームにいるような。

 「移転前と合わせるともう40年くらい」と、2代目店主の清水茂樹さん(55)。元々虎ファンが多い店だったが、2002年に西新宿から高田馬場に移り、不振に陥る。悩んだ先代が、より阪神色を強く打ちだそうと翌年、タイガースの全試合放送を始めた。

 田吾作の移転と同じ02年、やはり新宿区の京王百貨店新宿店に、東京初のタイガースショップが生まれた。阪神百貨店と立地や規模が似通い、商圏が重ならないため提携した縁で、7階の一角でグッズを扱うように。当時は一ファンとして通い、現在は売り場担当を務める石田雅代さんは「種類も多くて大感激。『京王、よくやった』と」。

 そして、ドラマが起きる。闘将・星野仙一監督が率いた03年、タイガースは18年ぶりにリーグ優勝を果たした。当時、東京で虎ファンが集える場は少なく、田吾作は連日客が入り切れない状態に。京王は首都圏では異例の優勝セールを敢行し、1日で約12万2千人が押し寄せた。百貨店の人出といえば初売りだが、この最多記録は今も破られていない。

 都内では09年、神宮球場近くにタイガースショップ神宮店もできた。後に渋谷区に移転し、大通りから離れた立地となったが、縦じまユニホーム姿のファンの列は途切れない。「ゴールデンウイークなどは入場制限するほど」と責任者の高田慧斗(けいと)さん(25)。

 居酒屋も、ショップも、阪神が勝つと売り上げは伸びる。が、負けが込んでも客足の絶えることはない。砂漠のオアシスのように東京の虎党を引きつける。

 清水さんは「8回に0-8で負けてたら、帰り支度を始めるのが巨人ファン。そこを『ここから逆転』と信じるのが阪神ファン」。石田さんも「阪神は人生そのもの。勝っても負けても自分を重ねる」としみじみ。敵地に根を下ろすたくましき“江戸っ虎(こ)”に、阪神愛の神髄を教わった。(佐伯竜一)

経済の最新
もっと見る

天気(12月17日)

  • 9℃
  • 1℃
  • 20%

  • 6℃
  • 0℃
  • 60%

  • 9℃
  • 2℃
  • 10%

  • 8℃
  • 0℃
  • 40%

お知らせ