ひょうご経済プラスTOP 経済 神鋼先行き市場が懸念 顧客離れ、費用負担リスク

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神鋼先行き市場が懸念 顧客離れ、費用負担リスク

2017.10.31
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(表の数字の単位は百万円。▲は赤字計上か、割合減少。前期の配当は実績)

(表の数字の単位は百万円。▲は赤字計上か、割合減少。前期の配当は実績)

記者会見する神戸製鋼所の梅原尚人副社長=30日午後、東京都千代田区

記者会見する神戸製鋼所の梅原尚人副社長=30日午後、東京都千代田区

 市場では、性能データ改ざんを起こした神戸製鋼所の経営の先行きに懸念が深まっている。多額の損失を被るリスクがあり、2018年3月期に3年ぶりに連結純損益を黒字化する計画は不透明になった。全容調査や製品交換などへの対応には時間がかかり、問題の収束は見通せない。

 神戸製鋼は社内調査を進めるにつれ不正を行った製品の種類や納入先が増え、社員による不正の隠蔽(いんぺい)も発覚し「企業体質に問題がある」(大手証券アナリスト)との見方が広がっている。株価は不正発覚前と比べ3割ほど下落したままだ。

 神戸製鋼は、判明している不正製品の納入先の約8割で安全性を確認できたと説明するが、JR東日本やJR西日本は部品交換などの費用負担を求める方針。安全性の確認も全ては終わっておらず、自動車メーカーのリコール(無料の回収・修理)が発生する可能性は消えない。

 神戸製鋼の取引企業には仕入れ先を乗り換える動きもある。調査に乗り出した米司法省は拒否時に罰則が付く「召喚状」で書類提出を求め、不正に強い姿勢で臨んでいることも判明し、刑事責任を問う捜査へ移行する恐れもちらつく。

 不正で生じる費用の見積もりは難しく、JPモルガン証券の森和久アナリストは「不透明感は当面残る」と話す。ソニーフィナンシャルホールディングスの渡辺浩志エコノミストは「問題の根は深い。顧客から信頼を取り戻すのは容易ではない」と手厳しい。