ひょうご経済プラスTOP 経済 神鋼データ改ざん 発覚2カ月、問題長期化が懸念

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神鋼データ改ざん 発覚2カ月、問題長期化が懸念

2017.12.08
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安全性の確認に時間がかかっているアルミ板の製造拠点、真岡製造所=栃木県真岡市(神戸製鋼所提供)

安全性の確認に時間がかかっているアルミ板の製造拠点、真岡製造所=栃木県真岡市(神戸製鋼所提供)

 神戸製鋼所の製品検査データ改ざんの発覚から8日で2カ月となる。不正品を納入した525社の7%に当たる38社で、安全性の確認がまだ取れていない。このうち海外メーカーは12社に上る。米司法省も調査に乗りだし、海外リスクに伴う問題長期化への懸念が強まっている。一方、同社は今月下旬にも、弁護士による外部調査委員会の報告を受け、最終的な原因究明の分析や再発防止策などを公表する。

 安全性が未確認の38社は、電子部品などに使われる銅板や自動車部品など向けのアルミ板が大半を占める。いずれも商社を通じ、海外を含めたさまざまなルートで販売されたり、部品に加工されて製品に取り付けられたりしており、追跡が難しいという。兵庫県内の機械業界関係者は「海外メーカーは仕様に厳格で、徹底的な調査を求めてくる」と話す。

 安全性の確認とともに今後の焦点となるのが、罰則付きの「召喚状」を神戸製鋼の米国子会社に送付した米司法省への対応だ。資料の要求、提出に2年程度かかる可能性がある。その結果、悪質と判断されれば本格的な捜査に発展する。

 召喚状を受け取った経験がある県内の機械部品メーカー役員は「大量の書類提出や弁護士費用など、とにかく大変だった」と振り返る。訴訟費用は2年間で3億円に上った。

 米国では、司法省の調査が終わっても、集団民事訴訟を起こされるケースが多い。「やり手の弁護士が成功報酬を目当てに原告を集め、高額の賠償金を狙ってくる」という。

 社内の不安を打ち消そうと、神戸製鋼の川崎博也会長兼社長は11月中旬以降、部長級以上の幹部に状況を直接語り掛ける集会を、神戸本社などで複数回開いている。年明けには各製造拠点で一般社員なども対象に開く予定だ。社員の冬の賞与は「前年度の業績に基づき既に決定している」ため、当初予定通り支払われた。(高見雄樹)