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神戸港をコンテナ積み替え拠点に 実証実験開始

2017.12.14
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神戸新聞NEXT

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実証実験で一時的に陸揚げされたコンテナ=神戸市東灘区向洋町東4

実証実験で一時的に陸揚げされたコンテナ=神戸市東灘区向洋町東4

 神戸市や物流会社などが、神戸港をコンテナ貨物の積み替え(トランシップ)拠点にするための実証実験を始めた。東南アジアから北米に運ぶ貨物を対象に、荷主が直行便を利用できない場合の経由地を神戸港にシフトさせる試み。関係者は「アジアの荷主に新たな選択肢を示したい」と意気込む。(長尾亮太)

 実験に取り組むのは、港湾運送会社などでつくる神戸海運貨物取扱業組合と、海運・陸運会社、阪神国際港湾、国土交通省、神戸市などの14社・団体。今年3月に「アジア広域集貨プロジェクトチーム」を発足した。

 実験では、参加企業の日本通運がプリンターをベトナムから米ロサンゼルスまで運ぶ。荷主が直行便を利用できなくても、神戸港を経由する別のコンテナ船を活用してもらうことで、積み替え拠点としての存在感を高める狙い。複数の海運会社が運航を担うが、神戸で一時的に陸揚げするための手続きなどを実験で確認する。ベトナムからのコンテナ船は今月6日に神戸港を出発し、20日にロサンゼルスに到着する予定だ。

 積み替え貨物を神戸港に誘致するのは、日本-北米を結ぶ基幹航路のコンテナ船を維持・増加させるため。基幹航路が充実すれば、輸出入の所要日数や費用が短縮・低減され、国の競争力に直結するという。

 ところが、積み替え拠点としての同港の存在感は薄い。神戸市によると、同港の積み替え貨物量は、アジア諸国への生産移管などで1994年をピークに低迷が続く。一方で、東南アジア-北米間では、年間約441万個(20フィートコンテナ換算)の7割を直行便が占める。残りが積み替えながら輸送されるが、拠点の大半を台湾や中国が占め、日本での積み替え量は1・6万個という。

 東南アジアは経済成長で貨物の増加が見込まれるため、同チームは取り込みに動き出した。チームの担当者は「基幹航路のコンテナ船の寄港を増やし、雇用や所得の維持・向上につなげたい」と話している。