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鉄鋼成分検査の精度向上へ新システム 山陽特殊鋼

2017.12.14
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神戸新聞NEXT

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 山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)は14日、東京理科大と共同で、鉄鋼の成分を調べる試験の精度を上げる新システムを開発したと発表した。人間の目視による現在の試験を、ハイスピードカメラによる撮影と画像解析技術に置き換える。神戸製鋼所のデータ改ざん問題で製品検査の仕組みが注目される中、データの信頼性アップを進める。

 鉄鋼の製造工程では、成分や寸法、硬さなどを調べる数種類の試験がある。山陽特殊鋼は、鉄鋼に含まれる炭素の量から種類を見分けるため、製造ラインの最後で全製品を対象に「火花試験」をしている。

 これは鉄鋼を砥石と接触させ、飛び散る火花の量や形などから成分を見分けるもので、炭素分が豊富な硬い鉄鋼は火花の量が多くなる。見分けるには熟練の技能が必要で、検査担当になるには数年間かかる。

 新システムでは、火花の量や形、特徴をうまくデータ化して識別に生かすことに成功した。カメラで撮影するタイミングや、安定して火花を出すための砥石の調整法にも磨きをかけ、鉄鋼に含まれる炭素量の誤差は、前後0・05%に抑えた。同社によると、一般的な誤差の範囲は前後0・1%という。

 同大の小林宏教授と2010年から共同研究を開始。既に本社工場の棒鋼製造ラインに試験導入しており、データを蓄積して数年後に本格導入する。同社は「検査員のコンディションによる結果のばらつきを防げるほか、熟練技能を残していける」とする。(高見雄樹)