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播磨の中小企業 理系人材不足でベトナムに熱視線

2017.12.18
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合同面接会で梶原鉄工所に採用されたベトナム人のズォン・ディン・ロンさん(左)=姫路市飾磨区恵美酒

合同面接会で梶原鉄工所に採用されたベトナム人のズォン・ディン・ロンさん(左)=姫路市飾磨区恵美酒

 中小企業の人材確保が厳しさを増す中、播磨地域の企業がベトナムに熱い視線を送っている。姫路経営者協会(兵庫県姫路市)は3年前、会員企業に募り、兵庫県内の他地域に先駆けて現地で合同面接会を開始。同国のエンジニアの“卵”たちの働きぶりは真面目で、受け入れが広がりつつある。ベトナム戦争後、姫路には難民を支援する国内初の「定住促進センター」が置かれた経緯もあり、背景にはそうした結びつきの強さもある。(金 旻革)

 「日本で働きたいという意欲が高い。期待できる」

 工場用の貯水タンクやダクトを製造する共立工事(姫路市大塩町)の梶浦雅丈専務(41)は先月、ベトナムの首都ハノイを訪れた。8人の若者と面談し、男性2人の採用を決めた。

 同社は従業員約20人の零細企業。事業の拡大を見据え、エンジニアの確保を試みたが、国内の工業高校や大学の学生には見向きもされなかった。そこで頼ったのが、同協会が行う合同面接会「ステップ・ハリマ・イン・ハノイ」だった。

 今もベトナム人居住者が多い姫路。同協会は「(両地の)懸け橋になろう」と2014年以降、ベトナムで人材紹介業を行う会員企業の協力で、同国の理系新卒者や卒業生を対象に面接会を開催。昨年までに3回実施し、播磨地域の企業10社が16人を採用した。

 経営者団体が海外で合同面接会を開くケースは少ないといい、同協会の担当者は「国内では知名度が低い中小企業でも、ベトナムでは日本企業として関心が高い」と手応えを話す。

 同国の名門ハノイ工科大出身のズォン・ディン・ロンさん(26)は2年前、合同面接会を経て工場用集じん機を製造する梶原鉄工所(同市飾磨区恵美酒)に入社。同社では初の外国人エンジニアとなった。

 大学で機械設計を学び、自国の環境を改善したいと考えたが、知識を生かせる産業がなかった。「日本でさらに技術を学び、いつかベトナムに貢献できたら」とロンさん。

 一方、同鉄工所の八幡英昌取締役(53)は「ベトナム人の採用で現地にネットワークが広がれば、海外進出の足掛かりにもなる」と期待する。

 同協会が海外に活路を見いだそうとした背景には、業績が回復した大手企業の雇用拡大などによる“売り手市場”がある。

 民間調査会社、帝国データバンクが7月、全国約1万社に行った調査では、過去最多の約45%の企業が正社員の不足を訴えた。姫路商工会議所が3月、約千社に聞いた調査でも、人手不足は約70%を占め、中小企業は採用で苦戦していた。

 同協会の村瀬利浩専務理事(64)は「少子化でさらなる人手不足の加速が見込まれ、中小企業こそ海外に目を向ける必要がある。そうすれば地域経済にもいい波及効果をもたらしてくれるはずだ」と力を込める。