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川重、看板事業に痛手 海外の車両受注に影響懸念

2018.03.01
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鉄道車両を製造する川崎重工業兵庫工場=神戸市兵庫区和田山通2(2016年11月撮影)

鉄道車両を製造する川崎重工業兵庫工場=神戸市兵庫区和田山通2(2016年11月撮影)

神戸新聞NEXT

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 川崎重工業(神戸市中央区)の鉄道車両事業は、1世紀以上前から業界の先陣を走ってきた。近年は新興国を中心に高速鉄道車両を積極的に売り込んで業績拡大を図ってきた同社の看板事業だけに、今回の台車亀裂問題が海外展開に影を落とす恐れも否定できない。今後の経営への影響が懸念される。

 川重の鉄道車両は造船技術を核に、1907(明治40)年に南海鉄道(現南海電鉄)向けの木製電動車を製造したのが起源。他社に先駆けて電気機関車を製造し、第2次世界大戦後はディーゼル機関車を開発して旧国鉄などに納入したほか、寝台車や貨車も数多く生産してきた。

 国内同様に、海外展開も積極的に図ってきた。1980年代に進出した北米では、米ニューヨーク市交通局向けの地下鉄で累計2千両以上の納入実績を誇る。近年はワシントン首都圏交通局向けの地下鉄車両も受注している。

 今年1月にはニューヨークで新たに導入される地下鉄車両の受注を勝ち取った。最大1612両で、受注総額は約37億ドル(約4千億円)に上り、同社の鉄道車両受注案件としては過去最大規模だ。

 新興国での受注増が期待されるのが高速鉄道だ。2012年に台湾で車両を初めて納入した。16年には計画を進めるインドのモディ首相が川重兵庫工場(神戸市兵庫区)を訪れ、安倍晋三首相が技術力をアピール。日本の新幹線方式を採用することで日印政府は合意し、川重は17年に同国の重電最大手と技術協力を結び、車両受注を目指している。

 16年度の鉄道車両の国内生産実績では2位のシェアを誇る。売上高は同年度で約1372億円に上り、川重の連結売上高に占める割合は約9%に当たる。(横田良平)