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熊本地震で効果 木造住宅用装置が好調 住友ゴム

2018.04.14
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熊本地震で威力を発揮した「ミライエ」と制振ビジネスチームリーダーの松本達治さん=神戸市中央区、住友ゴム工業

熊本地震で威力を発揮した「ミライエ」と制振ビジネスチームリーダーの松本達治さん=神戸市中央区、住友ゴム工業

 住友ゴム工業(神戸市中央区)が2012年に発売した木造住宅用制震ダンパー「MIRAIE」(ミライエ)が好調に売り上げを伸ばしている。14日で発生2年の熊本地震では、装着した住宅で大きな損傷が見られなかった。今年3月末までに全国の約2万8千棟で採用されている。開発、製造、販売の責任者、松本達治・制振ビジネスチームリーダー(51)は「安心安全な家が1棟でも多く立ち並ぶ社会を実現したい」と話す。(大島光貴)

 ミライエはA字形の鋼鉄製の枠組みで、建物の壁内部に設置。独自開発した特殊なゴムで振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、揺れを最大95%吸収する。

 開発の契機となったのは1995年の阪神・淡路大震災だ。90年代初めからレース用タイヤの技術を生かして揺れを吸収する研究を開始。神戸工場が被災、閉鎖したことを受け、地震対策製品に取り組んだ。

 2004年には大手ハウスメーカーと共同開発した住宅向け制震装置を発売。09年には別の大手メーカーとも製品を開発した。

 次の転機は11年の東日本大震災。今度は福島県の白河工場が被災した。大手メーカーだけでなく、「地域の工務店でも使える製品を」と開発を加速させた。

 そして翌年3月にミライエを発売。施工のしやすさと、1棟30万円前後という低価格を実現した。軽量化などの改良も加えた。

 発売以来、施工件数は年約1500棟ずつ伸び、16年の熊本地震では、熊本県内で装着した全132棟で大きな損傷が見られなかった。地震後、同県内で倍以上に増え、兵庫県でも本格的に普及し始めたという。

 昨年にはリフォーム向けの簡易ダンパーも発売。「古い住宅こそ耐震性が低く、守るべきだ」と考えたためで、販売は好調という。松本さんは「ミライエと合わせ、普及率をさらに高めたい」と力を込めた。