ひょうご経済プラスTOP 経済 車の魅力発信 ネッツトヨタ神戸が「売らない販売店」

経済

車の魅力発信 ネッツトヨタ神戸が「売らない販売店」

2018.04.19
  • 印刷
気軽に足を運べるように工夫を凝らした「GRガレージ西宮」の店内=西宮市東町2

気軽に足を運べるように工夫を凝らした「GRガレージ西宮」の店内=西宮市東町2

 ネッツトヨタ神戸(尼崎市)は、車や部品の販売、車検の受け付けなどを行わない異色の販売店「GRガレージ西宮」(西宮市東町2)を開設した。趣味の本や雑誌がずらりと並ぶ店内では、子ども向けの整備体験も実施。カーシェアリングが広がり、自動運転車の実用化が目前に迫るなど自動車市場が大きく変化する中、女性や若者に車の魅力や運転の楽しさを提案し、車ファン拡大につなげる。(中務庸子)

 GRガレージは、トヨタ自動車が昨年9月に始めたスポーツカーブランドの専門販売店。「楽しいクルマ屋さん」をコンセプトに店舗デザインなどは地元の特約店に任せ、全国に約40店舗を展開する。

 自動車レースを前面に打ち出す店が多い中、ネッツトヨタ神戸はカフェのような空間を着想。売り上げではなくプロモーションを重視し、店舗を営業本部のオフィスと位置付けた。2階建て延べ約1800平方メートルの建物の1階に入り、隣に若者に人気のカフェを、2階にフィットネスクラブをそれぞれ誘致した。

 店内には天井まで届く巨大な本棚を設け、約1300冊を並べた。選定は専門家に任せ、自動車関連だけでなく、旅行や植物、料理など趣味の本、海外の絵本もそろえる。ソファやキッズコーナーも設置し、飲み物などの持ち込みも可能。車に興味のない人にも足を運んでもらえるようにした。

 ほかに、レーシングカーを展示しレース映像も上映。週末には子ども向けの整備体験会なども開催し、車の楽しみ方も提案する。1日20~50組が訪れるといい、豊田英嗣店長(41)は「通常の店舗では用もなく立ち寄る客はほとんどいないが、この店は女性や子連れ客が多い。将来の車購入につなげたい」とする。

 自動車のマーケティングに詳しい流通科学大学の清水信年教授(46)は「車に興味がない人も愛好家も満足させる積極的な戦略。顧客とのコミュニケーションを重視でき、メーカーが長年培ってきた技術を理解してもらう機会になる」としている。