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眺めてリラックス “室内の滝”じわり人気再燃

2018.05.26
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人気が高まっている「プリズムフォール」と、愛水工業を営む深水正社長(左)ら家族3人=神戸市西区櫨谷町寺谷

人気が高まっている「プリズムフォール」と、愛水工業を営む深水正社長(左)ら家族3人=神戸市西区櫨谷町寺谷

 噴水設備や水のオブジェなどを製造する愛水工業(神戸市西区)が、40年前に発売した室内装飾品「プリズムフォール」が再び人気を呼んでいる。主力の噴水から派生し、滝を模してつくったアイデア製品で、水と光の演出によって見る人の気持ちを癒やす効果が特長という。飲食店や商業施設、テレビ番組のセットなどさまざまな場所で彩りを添えている。

 同社は、深水正社長(85)が水処理会社から独立し、1970年に神戸市灘区で設立。現在は、95年の阪神・淡路大震災後に入居した仮設賃貸工場(現神戸ハイテクイースト工業団地)を拠点に、娘夫婦の遠藤貴美子さん(61)、三郎さん(62)と3人で運営する。

 プリズムフォールは、ナイロン糸を組み合わせて平面や円柱など立体的な空間を表現し、その一本一本に液体を伝え流す「人工の滝」。大きなものだと高さ10メートルにもなり、カラー照明を当てると、滴がキラキラと輝いて幻想的な雰囲気を演出できる。

 創業当時に、京都市内の商業施設から「米国で目にしたオブジェを再現してほしい」と依頼を受け、開発。全国各地で施工したが、73年のオイルショックの影響で注文がほとんどなくなり、取り扱いをやめた。

 しかし2011年に鹿児島県の焼き肉店から、「40年前に導入したが、店を移転するので新店にも取り付けてほしい」と、依頼がきた。その後、会社のウェブサイトに過去の施工例などを掲載すると、それを見た他の飲食店などから、注文が入るようになった。

 このほど放映されたNHKスペシャル「人体」の番組セットにも採用された。深水社長の娘婿の遠藤さんが設営に立ち会い、画面上で美しく見えるように糸を伝う液体の量を調整した。

 現在は、移動可能な製品づくりに力を入れる。備え付けタイプに比べ、手軽に導入できるのが強み。6月8日に神戸サンボーホール(神戸市中央区)で開かれる同市主催の「神戸ものづくり中小企業展示商談会」に出展してアピールする。

 深水社長は「製品を通して多くの人に『癒やし』を届けたい」と話し、病院や介護施設などへの導入や海外展開にも意欲を見せている。(長尾亮太)