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兵庫県内上場企業決算 半導体需要が業績後押し 

2018.05.27
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2018年3月期決算の内容を報道陣に説明する兵庫県内企業の担当者ら(奥)=大阪市中央区北浜1(撮影・吉田敦史)

2018年3月期決算の内容を報道陣に説明する兵庫県内企業の担当者ら(奥)=大阪市中央区北浜1(撮影・吉田敦史)

神戸新聞NEXT

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 兵庫県内上場78社の2018年3月期決算は、3社に2社が純損益を改善させた。旺盛な半導体需要と中国の景気拡大が業績を押し上げる一方、人件費や原材料費の上昇で収益が圧迫される企業もあった。今後、人手不足への対応が企業の成長を左右しそうだ。

 18年3月期の上場78社の売上高総額は前期比7・5%増の8兆4291億円、経常利益が1・7倍の4204億円、純利益が6・9倍の3062億円だった。

◇活況

 「増産への対応が間に合わない」。トーカロ(神戸市中央区)の三船法行社長はうれしい悲鳴を上げた。半導体製造装置に使われる部品の被膜加工を手掛けており、データセンターなど向けの需要増大で最高益を更新した。

 IoT(モノのインターネット)の普及や人工知能(AI)の進展などで、半導体の関連業界は活況を維持しており、県内企業も恩恵を受けた。検査用部品を手掛ける日本電子材料(尼崎市)の純利益は、前期に比べて約4倍に増加。同製造装置向けの合成樹脂素材を供給する三ツ星ベルト(神戸市長田区)も経常増益だった。

 中国の景気拡大も寄与した。インフラ投資でアスファルトプラントが伸びたのは日工(明石市)。住友精密工業(尼崎市)と東洋機械金属(明石市)は、それぞれ油圧ポンプとアルミ加工機が自動車関連の現地メーカー向けに堅調だった。

◇足かせ

 神姫バス(姫路市)は、ベースアップで人件費が前期比で2億5千万円以上も上昇した。タクシー事業では乗務員不足で車両を十分に稼働させられなかったという。

 人手不足の解消に取り組む企業もあり、川西倉庫(神戸市兵庫区)は、荷物の持ち運びを楽にする「アシストスーツ」を導入して職場環境を改善し、作業要員の確保を図る。システム開発のさくらケーシーエス(同市中央区)は、会議を削減して報告書の提出に置き換えるとともに、提出の管理も自動化。限られた人員を本業に充てる。

◇先行き

 19年3月期の売上高予想は、18年3月期比0・1%減の8兆3943億円。経常利益は1・8%増の4266億円、純利益が3・2%増の3153億円。業績予想を見送った日亜鋼業(尼崎市)を除く77社ベースだが、いずれも18年3月期の伸び幅を大きく下回る。

 靴販売のヒラキ(神戸市西区)は物流費の高騰を理由に、18年3月期の最高益から一転、減益を見込む。山陽特殊製鋼(姫路市)など鉄鋼関連企業も減益を予想。石油価格や物流費などの上昇が下押し要因になるとみる。(長尾亮太)