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新卒学生獲得へ猛アピール 学食トレーに広告、プレゼントも

2018.06.02
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合同説明会ではVR機器で自社をPRする中小企業も=神戸市中央区浜辺通5

合同説明会ではVR機器で自社をPRする中小企業も=神戸市中央区浜辺通5

 2019年春の卒業を予定する大学生らの就職活動で、主要企業による選考面接が1日解禁された。学生優位の売り手市場の傾向は年々強まり、兵庫県内でも企業の人材争奪が熱を帯びる。中小企業の合同説明会で商品券が配られたり、大手も大学構内で広告を出したりするなど、学生へのアピールに知恵を絞る。(長尾亮太、大島光貴、横田良平)

 5月29日、神戸市内であったみなと銀行(同市中央区)主催の合同説明会。学生らは各ブースで話を聞くと用紙にシールを貼り、次のブースに向かった。

 多くの企業に接してもらおうと、巡回したブースの数に応じて商品券を贈る初の試み。学生は3~7社を回って500~1500円相当を手にした。同行の説明会は出展する企業が年々増える一方、昨年の参加学生数はピーク時の4分の1に減少。担当者は「(商品券で)交通費分を負担してでも学生に来てほしかった」と話す。

 金物卸の藤原産業(三木市)は、頭に装着する仮想現実(VR)機器を会場に持ち込んだ。自社展示場の映像を見てもらうためで、藤原泰三執行役員は「卸売業は仕事内容をイメージしにくく、取扱商品を見て身近に感じてほしかった」と狙いを説明する。

 神戸の洋菓子業界も、人手不足に直面する。メーカーでつくる県協会が5月末に開いた合同説明会でも、訪問数に応じて学生らに焼き菓子をプレゼントした。協会幹部は「有名店以外でも採用増につながれば」と期待する。

 就職情報会社のディスコ(東京)によると、5月1日時点で内定を得た学生は42・2%と、前年同期を4・7ポイント上回った。人材確保に力を入れるのは大手企業も同様だ。

 鉄鋼メーカーの大和工業(兵庫県姫路市)は今年、京都大と大阪大、神戸大の学生食堂で使われるトレーに広告を初めて出した。その結果、会社説明会とインターンシップ(職業体験)への参加者は計42人と、前年の倍以上に増えたという。

 1日は、経団連の採用指針に基づく面接解禁日だが、加盟社でも前倒しで選考を進めるところも。県内に本社を置く加盟社は5月末、採用枠45人のうち約30人に内定を出した。それでも超大手と比べると知名度が劣ることから、3~5割の内定辞退者が出るとみる。

 みなと銀の合同説明会に参加した女子学生(21)は「いくら売り手市場でも、誰もが有名企業に入社できるわけではない。早く内定をもらい、就職戦線から解放されたい」と話した。