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夏のほ場の高温対策、“匂い”の力で収穫増 三田のトマト栽培

2018.07.10
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ほ場にぶら下げた「すずみどり」(左)の効果を語る中上之仁さん=三田市香下

ほ場にぶら下げた「すずみどり」(左)の効果を語る中上之仁さん=三田市香下

匂い成分で作物の高温耐性を高めるという「すずみどり」は施設にぶら下げて使う。左はパッケージ

匂い成分で作物の高温耐性を高めるという「すずみどり」は施設にぶら下げて使う。左はパッケージ

 梅雨が明け、作物にも暑く厳しい季節になってきた。特にビニールハウスなど施設栽培では葉がしおれ、花が落ちるなどの高温障害への注意が要る。兵庫県三田市の「JA兵庫六甲さんだトマト部会」は昨夏、高温による障害などで収穫量が半減。そこで今季、従来の水や風、遮光とは違った匂い成分で作物の力を引き出すという農業資材を導入。部会の農家では、高温対策だけでなく収穫増の効果も出ている。(山路 進)

 三田市の冬は寒く、苗を植える時期は県内の他のトマト産地より1、2カ月遅い3月下旬ごろ。出荷も5月から、露地栽培が出回る8月初旬までと遅い。暑い時期にかかるため、高温対策が課題だったが、同部会の中上之仁部会長(50)は、昨夏について「約30年の農家経験で、あれほどの減収は初めて」と振り返る。

 同部会は市内の農家13戸で組織。減農薬栽培の「さんだトマト」を、兵庫県の「ひょうご安心ブランド」として、地元直売所や阪神間の店舗などに出荷する。

 昨年の被害を受け、同部会は勉強会を重ね、農業資材の錠剤を知った。神戸大大学院農学研究科の山内靖雄助教(49)と肥料メーカー「ファイトクローム」(東京)が開発し、同社が今年3月に発売した「すずみどり」。主成分の化合物「2-ヘキセナール」は、葉をつぶすと出る匂いの一種で、芳香剤にも使われる。周囲の葉が感知すると、気孔が開いて蒸散作用で熱を下げ、二酸化炭素の吸収が進んで、光合成が活性化するという。

 中上さんは4月下旬、トマトを育てるハウス(計約20アール)で20個をぶら下げた。毎年6月ごろに見られる花の落下がほとんどなく、実付きや色、形も良いという。「施設整備なしで、作物の力を引き出せていると感じる。うちのハウスで、例年の1・2倍くらい収穫できている」と話す。

 すずみどりは1袋10個入りで3996円。ファイトクロームTEL03・4316・4920