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型押し技術で皮革製品の新ブランド創設 オーヨン

2018.07.12
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新たに立ち上げた革ブランド「マウンテン&シーワークス」の製品を手にするオーヨンの呉本勇社長(左)と宮崎大輔さん=神戸市兵庫区和田山通1

新たに立ち上げた革ブランド「マウンテン&シーワークス」の製品を手にするオーヨンの呉本勇社長(左)と宮崎大輔さん=神戸市兵庫区和田山通1

 素材加工のオーヨン(神戸市兵庫区)は、皮革製品の独自ブランドを立ち上げた。細かい模様や凹凸を皮革の表面に型押しする技術を使って、ブックカバーやクラッチバッグ、名刺入れなどを製作。姫路産のなめし革を用いるなど、地元色を前面に打ち出している。(長尾亮太)

 新ブランドは、「エンボス加工」と呼ばれる型押し技術を応用。模様や柄の凹凸を皮革、布、紙などの表面に転写する技法で、通常は金型を使うケースが多い。同社は模様そのものを素材に圧着することで転写を可能に。金型を使わないのが特長だ。圧力の強さや時間、温度を調節しながら転写することで、木の葉や羽根のような細かい模様も精細に再現できるという。

 この技術は、神戸のケミカルシューズ業界で長年働いた呉本勇社長(68)の経験が生きた。2枚の合成皮革をプレス機で接着させる作業を請け負った際、何度試してもうまく付かなかった。ところが、合皮の表面を見ると、もう一つの合皮の裏地の模様が浮き出ていた。「金型でないと、型押しができないと思い込んでいたが、圧着でも可能だと気付いた」という。

 呉本社長はケミカルシューズの素材メーカーに勤めながら、転写に適した圧力の強さや時間、温度を素材ごとに研究した。定年退職後の2009年にオーヨンを設立し、型押し加工用の特注設備を導入した。

 ただ、新しい技術が広く認知されなかったため、多くの人に目を留めてもらおうと、新ブランドを立ち上げた。神戸のまち並みをイメージし、山と海を意味する英語を組み合わせて「マウンテン&シーワークス」と命名。ロゴのデザインでは「&」をいかり形に図案化した。

 皮革製品を企画・販売する宮崎大輔さん(43)=神戸市中央区=と協業するとともに、素材の供給元や縫製の委託先はいずれも姫路の業者という。JR三ノ宮駅前のミント神戸にある雑貨店「トランジット」などで販売。ブックカバー(文庫本用)は4536円。

 呉本社長は「独特の風合いが楽しめるので、新製品を手にとってほしい」と話している。