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東京五輪は商機 関西メーカー3社、開発競争

2018.07.29
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東京五輪のエンブレムをあしらった記念グッズが並ぶアシックスの直営店=大阪市中央区心斎橋筋1

東京五輪のエンブレムをあしらった記念グッズが並ぶアシックスの直営店=大阪市中央区心斎橋筋1

神戸新聞NEXT

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 2020年の東京五輪開幕まで2年を切り、アシックス(神戸市中央区)など関西のスポーツ用品メーカーの取り組みが熱を帯びてきた。国内外の注目が集まる世紀のイベントを最大限生かそうと、ウエアの開発や生産体制の整備に注力。選手や競技団体とのスポンサー契約をフル活用して、シェアの少ない競技や海外の市場に風穴をあけようと各メーカーがしのぎを削る。(中務庸子)

 アシックスは5月、長くナイキがスポンサーだったウクライナの陸上競技連盟(陸連)との契約を成立させた。「ナイキやアディダスとの戦いになる」。同社の尾山基(もとい)会長は五輪への意気込みを語る。

 スポンサー契約は各競技団体や選手などとメーカーが結ぶ。ロゴ入りのウエアなどを選手が着用して競技に臨むため、ブランドの認知度拡大が期待できる。アシックスは17年にロシアのバレーボール連盟などとも締結。五輪を契機に、さらに海外事業に弾みをつけ、世界市場で3位を争うプーマを突き放したい考えだ。

 大きな武器となるのが、東京大会の国内最高位の協賛契約「ゴールドパートナー」だ。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と締結した15年以降、国際陸連やオーストラリアオリンピック委員会などからスポンサー契約の依頼が続々と舞い込んだ。大谷(おおや)忍スポーツマーケティング部長は「業界内のブランドステージが一段上がった感覚」と明かす。

 大会本番では、日本代表選手団が開会式などで着るユニホームも提供。各国の代表選手に自社製品をPRする施設も会場周辺に設置する。150億円以上とされるゴールドパートナー料も高くはないとみる。

 一方、他社も手をこまぬいていない。アシックスに次ぐ国内2位のミズノ(大阪市)は東京五輪の33の正式競技のうち柔道、卓球、バレーボールなど国内14の競技団体とスポンサー契約を結ぶ。バドミントンでは、ヨネックス(東京)の独壇場の国内ラケット市場に食い込むため、前回大会銅メダリストの奥原希望選手と個別契約を締結。研究開発費を積み、高性能なラケットの共同開発を進める。

 ミズノ・コンペティションスポーツ事業部の鳴尾幸治郎部長は「平昌(ピョンチャン)冬季五輪でも、競技団体と契約していたスピードスケートなどで日本勢が活躍し、認知度は上がった。東京五輪も十分効果がある」と強気だ。

 国内3位のデサント(大阪市)はゴルフやカヌーなど八つの競技団体や、競泳の瀬戸大也選手など有力選手と契約。総工費35億円を投じた研究開発拠点を7月中旬、大阪府茨木市に開設し、ウエアの性能向上を図る。担当者は「競技団体や選手と共同でスポーツ業界を盛り上げていきたい」とする。

■外国人客にグッズ人気 アシックスタオルなど40種

 東京五輪・パラリンピックのゴールドパートナーとして、アシックス(神戸市中央区)が生産・販売する関連商品は、早くも外国人観光客(インバウンド)らの人気を集めている。

 同社は、市松模様の大会エンブレムや「TOKYO」の文字をあしらったタオルなどを2016年2月から順次発売。現在、パーカやランニングシューズ、バッグなど計約40種類を直営店などで販売している。

 大阪・心斎橋筋商店街の店舗では、インバウンドの3人に1人がTシャツを買って帰るという。今後、空港や駅の売店などにも販路を広げる方針だ。

 同社の尾山基会長は「応援・記念グッズだけで数百億円の売り上げを見込んでいる」と話す。(中務庸子)