ひょうご経済プラスTOP 経済 運送業人手不足解消へ 県内28社「物流ネット」が対策委

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運送業人手不足解消へ 県内28社「物流ネット」が対策委

2018.09.22
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大門の中村祐大取締役

大門の中村祐大取締役

貨物運送を行うドライバー。離職率の高さなどが課題だ=明石市大久保町江井島

貨物運送を行うドライバー。離職率の高さなどが課題だ=明石市大久保町江井島

 運送業界で人手不足が深刻化する中、兵庫県内の運送業者など28社でつくる「物流ネットワークシステム協同組合」(明石市)はこのほど、ドライバー不足による運送サービスの低下を防ぐための対策委員会を設けた。参加各社に事業の効率化や収益構造の改善を促して、働きやすい環境づくりを目指す。(綱嶋葉名)

 同組合は1991年、同業大手の地域物流への参入や、大手メーカーの物流事業進出などに対抗するため、県内の中小運送業者が集まって設立。各社の車両情報をオンラインで共有するなど事業の効率化を進めてきた。

 田中運送(明石市)や大門(同)、ますもと運輸(神戸市東灘区)、日高興産運輸(豊岡市)、坂本運送(加西市)など県内各地の28社が加盟している。

 現在、業界では、全国的な人手不足の中、人材確保や、現場スタッフの離職率の高さ、業者間の過当競争などが課題という。

 同委員会は、若手経営者らによる同組合青年部会が中心となり、経営コンサルタントや保険会社も参加して設立。「サービスの効率化」と「収益構造の見直し」をテーマに事業の改善を進め、働きやすい職場環境の実現と人材確保につなげていく考えだ。

 当面は、兵庫県中小企業団体中央会(神戸市中央区)の支援を受けてセミナーなどを開催。各社のサービスや採用の問題点を明確にし、改善につなげる。

 すでに第1回会合を開催。会合では、各社の経営者らが「職業安定所に求人を出しても人が来てくれない」「時間や機会がなくて人材育成に注力できない」と、自社の悩みなどを披露し、解決策を協議した。

 青年部会の中村祐大会長は「委員会を良いきっかけに、兵庫県発で運送業界のサービスを高めていきたい」と話した。

■幅広い世代の人材必要 「大門」取締役中村氏に聞く

 物流ネットワークシステム協同組合の青年部会会長で、運送会社「大門」(明石市)取締役の中村祐大氏(45)は「雇っているドライバーのうち、50~60代が約7割を占める」と話す。運送業の現状を聞いた。

 -現場の状況は。

 「運転手を募集してみると集まる人たちは60代以上であることが多い。転職を繰り返すドライバーが多く、企業側は経験値を重視しているため、退職年齢を一概に設定できないことも高齢化の要因といえる」

 -若手の雇用戦略は。

 「かつては長時間労働でも、高い給料を払えば若者を集めることができた。しかし、最近の若い世代は高い給料を求めていない。前職で人間関係に疲れ、1人で働けるトラック運転手に憧れて入ってくるケースもある。給料を上げるだけでは、働き手を集めることができないのが現状だ」

 -どう対応するのか。

 「幅広い世代の流入を目指すことが重要。ドライバーの健康状態などをよく観察しながら、状況に合わせて仕事を割り振るなど、より働きやすい環境を整備していくつもりだ」