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吉野家のみそ汁抽出機製造 創業70年の極東産機が上場へ

2018.09.25
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東証ジャスダックに上場する極東産機の頃安雅樹社長。傍らにあるのは市場シェア9割を誇る自動壁紙のり付け機=たつの市龍野町日飼

東証ジャスダックに上場する極東産機の頃安雅樹社長。傍らにあるのは市場シェア9割を誇る自動壁紙のり付け機=たつの市龍野町日飼

 産業機械メーカーの極東産機(兵庫県たつの市)が27日、東京証券取引所の新興市場ジャスダックに上場する。牛丼チェーン「吉野家」でみそ汁抽出機が採用されるなど飲食業界の注目を集める同社は今年、創業70年の節目。「職人の手仕事の自動化・省力化」に長年取り組み、住宅用壁紙に自動でのり付けする機械や、畳製造装置でいずれも業界トップシェアを誇る。上場により、さらなる成長を目指す。(大島光貴)

 1948年創業。畳床の製造機械から始まり、71年に自動壁紙のり付け機、81年にはコンピューター式畳製造装置を、ともに日本で初めて開発した。職人が使う工具類なども併せて販売することで、安定した収益基盤を生み出した。

 80年代半ばから順次、新事業をスタート。消費者向けに柔道場や風呂用など特殊機能畳を製造販売する一方、産業機器の受注生産に乗り出し、需要が伸びている二次電池製造装置のほか、自動車、半導体関係機器なども手掛ける。

 みそ汁の定量抽出機は、たつの市の地場産業であるそうめんとしょうゆ業界との異業種交流で生まれた。ボタン一つで同じ温度や濃度のみそ汁を出せる点などが評価され、2015年夏に吉野家の全1200店での採用が決まった。だしやスープにも対応しており、和食レストランや回転ずしチェーンなどからも引き合いがあるという。

 住宅需要に依存しないビジネスに裾野を広げ、業績は向上。08年のリーマン・ショック後に50億円台前半まで落ち込んだ売上高は17年9月期に過去最高水準の約89億円まで伸びた。頃安雅樹社長(62)は「創業以来取り組んできた分野が、新しい事業を育てている」と胸を張る。現在、新事業は売り上げの4分の1だが、伸びしろがあるという。

 上場は、社会的な信用力や知名度を高めて取引先拡大や人材確保につなげ、生産体制の強化を図る資金を集めるのが狙い。頃安社長は「技術力や商品力が認められうれしい。さらに磨きをかけて、地域や社会、業界に貢献したい」と話す。

 同社は資本金約4億円、従業員数は261人。たつの市内に3工場を構え、兵庫県佐用町には大規模太陽光発電所(メガソーラー)を設ける。兵庫県内に本社を置く企業の上場は8月のイボキン(たつの市)以来で、上場企業は計114社となる。(大島光貴)