ひょうご経済プラスTOP 経済 医療産業びと(1)再生医療ベンチャー「ネクスジェン」宮西正憲さん(45)、中島正和さん(44)

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医療産業びと(1)再生医療ベンチャー「ネクスジェン」宮西正憲さん(45)、中島正和さん(44)

2018.10.20
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ネクスジェンを設立した宮西正憲さん(右)と中島正和さん=神戸市中央区港島南町6

ネクスジェンを設立した宮西正憲さん(右)と中島正和さん=神戸市中央区港島南町6

 神戸医療産業都市構想が打ち出されて19日でちょうど20年。国内有数の集積地で活動する経営者、研究者らにスポットを当てる。

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 「会社をつくったら? 僕も手伝うよ」。2016年春、米スタンフォード大で生命科学の研究者だった宮西正憲さん(45)は電話口でそう提案され、はたと膝を打った。「その手があったか」。帰国後も研究を続けたかったが、受け入れ先の大学が見つからず途方に暮れていたのだ。

 電話の相手は当時、ベンチャー支援会社の役員だった中島正和さん(44)。甲陽学院中・高(西宮市)の級友で、ともに京都大に進んだが、その後は別々の分野を歩んできた。

 医学部を卒業して産婦人科医になった宮西さんは、臍帯血などから採取される「造血幹細胞」に魅せられた。血液のもとになる細胞で、体内に移植し身体の機能を取り戻す再生医療として血液がんの治療に有効だからだ。

 しかし、現時点で同細胞だけを採取する技術はなく、周辺の別の細胞も含めて移植せざるを得ないため、副作用の一因となっている。宮西さんはスタンフォード大時代にマウスで同細胞だけの採取に成功していた。

 「この技術を人に応用すると、白血病などの治療に役立つかもしれない」。宮西さんは同細胞の採取を極めようと決意。帰国前に学生時代の友人や企業関係者ら多方面に連絡をして協力を求めた。

 その中で支援に名乗り出たのが、中島さんだった。総合商社や投資ファンドなどを経て、ベンチャー支援会社を立ち上げるなどビジネスの最前線を走ってきた。「大きな可能性を秘める宮西君の研究を、資金調達などの面から全力で支えたい」と意欲を示す。

 「基礎技術を応用しようとする生態系があり、米シリコンバレーの雰囲気を感じた」(宮西さん)という神戸医療産業都市に昨秋、研究拠点を設けた。「僕らはまだ何も成し遂げていないが、ベンチャー企業からも世の中に貢献する技術を生み出せることを証明したい」。代表取締役を務める2人は口をそろえる。(長尾亮太)

【メモ】ネクスジェンは2016年4月設立。資本金1250万円、従業員7人。17年9月、神戸・ポートアイランド2期の神戸医療イノベーションセンターに研究拠点を開設した。宮西さんは大阪府高槻市出身。現在も産婦人科医として活動し、理化学研究所の研究員も務める。中島さんは京大工学部卒。神戸市東灘区出身。

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