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兵庫県産黒大豆に新品種 さやにシミなし、養父で栽培

2018.10.23
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茶色いシミもなく、鈴なりの兵系黒4号に笑みをこぼす藤盛安大さん=養父市三谷

茶色いシミもなく、鈴なりの兵系黒4号に笑みをこぼす藤盛安大さん=養父市三谷

 11月下旬から収穫を迎える兵庫県特産の黒大豆「丹波黒」。その1カ月余り前に約2週間だけ出荷される丹波黒の枝豆は、豊かな甘さとコクのあるおいしさが特長だが、病害でさやに茶色いシミが発生する課題を抱えている。県は、この病害に強く、外観の課題を解消した新品種「兵系黒4号」を開発。養父市内で昨年から栽培され、23日から出荷が始まる。(山路 進)

 さやが茶色くなる病害の原因は「ダイズモザイクウイルス(SMV)」。感染すると、葉やさやにシミができ、収穫量が約10%減るとされる。県内の多くの産地で発生していたため、県立農林水産技術総合センター(加西市)が1999年から抵抗力のある品種の研究を進めてきた。

 丹波黒の一つ「兵系黒3号」と長野県が開発したSMVに強い黒大豆との交配を重ね、遺伝的に丹波黒の特性を94%受け継ぐ品種ができた。味や実の大きさは丹波黒とほぼ同じで、さやのシミはほとんどなく、さやや実の数は丹波黒より1~3割多い。2016年3月に兵系黒4号として品種登録の申請をした。

 丹波黒は、篠山市など丹波地方で育てられてきた特別に粒が大きく煮豆に適した黒大豆。兵庫県やJAなどは08年、江戸時代から続くブランドを守ろうと、県丹波黒振興協議会を設立。多くの在来種の中から極めて大粒の「川北」「波部黒」と、県が育成した兵系黒3号の3系統を「兵庫丹波黒」と定義した。このため、兵系黒4号は今のところ、兵庫丹波黒ではないが、同協議会の事務局を担う県は「兵庫丹波黒の候補にはなり得る」としている。

 県は昨年から、農業分野で国家戦略特区に指定されている養父市で特産品に育てようと、地元農家18人でつくる同市枝豆生産部会に種子を提供。今春から同部会の3人が計3アールで育ててきた。

 約20年前から丹波黒を減農薬で育てる藤盛安大部会長(77)は約4アールの畑のうち、1アールで兵系黒4号を栽培。長雨や台風が続き、8月中旬の開花前に多くの花が落ちたが「丹波黒よりも実付きが良く、育てやすい」と話す。味も「丹波黒みたいにおいしく、シミもない。消費者の反応を見ながら栽培量を増やしていきたい」と期待する。

 枝付き約105キロの全てをコープこうべ(神戸市東灘区)に出荷予定。同生協では24~26日、神戸市内の「コープデイズ神戸北町」「コープ垂水」「コープ西神南」の3店舗で販売するという。